オンライン化しても授業料据え置きに不満爆発 米国で学生の値下げ要求広がる
今回の抗議活動のとりまとめ役の1人、2年生のアレックス・ハリソンさん(19)は「学生が一斉に授業料支払いを控えるのはかなり大がかりな行動だが、危機のレベルを考えれば正当性を持つと信じている」と言い切った。
ジャーナリズムと政治学を学ぶハリソンさんらの抗議活動に参加している学生は、住宅契約や金銭面での援助、働きながら勉強している学生や職員への支援といった問題に大学当局が取り組み、そうした支援のために大学が運用する108億ドルの基金を活用することも要求している。
別の大学では学生らがインターネットを通じた署名運動を展開している。オンライン署名サイトのチェンジ・ドット・オルグによると、パンデミック中に同サイト内で立ち上げられた大学授業料減免の署名運動は1500件に達し、3月以降に合計で100万近くの署名が集まった。
「値上げは倫理的に許されない」
この署名運動の1つを始めたニューメキシコ大学4年生のアバ・イェルトンさん(20)は、講義内容や実践的に学ぶ場面、課外授業の機会が大幅に減ったことにつり合う授業料と諸費用の設定を求めており、既に5400人の署名を確保している。イェルトンさんによると、州内の学生の授業料は年間8000ドル強で、今年の値上げ率は2.6%。「これほど先行きが不透明な時期に授業料を据え置かないどころか、値上げするなんて倫理的に許されない」と憤る。同大学は対面式とオンライン式の講義を併用している。
サンフランシスコ大学の学生デービッド・ビューさん(20)は、授業料を4%下げて年間5万ドルにするとともに、秋学期からオンライン講義に切り替えたことに伴って利用できなくなった施設の費用負担免除を求める活動を行っている。
経営管理学を専攻するビューさんによると、自分や仲間の学生は、授業料支払いボイコットを提唱するソーシャルメディアのアカウントを開設した。他の学生では秋学期から大学をあきらめたり、より学費の安い学校に移ったりした者もいるという。
ビューさんは「今は学生と大学がお互いに強気の姿勢に出て相手を揺さぶろうとしているようだ」と話した。
(Brendan O'Brien記者)
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