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感染症対策EU、レムデシビルの契約見直し必要か WHO治験でほとんど効果見られず
新型コロナウイルス感染症の治療薬として利用されている米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」について、欧州連合が同社と結んだ10億ユーロ(12億ドル)の供給契約を見直す必要があるとの見方が出ている。 独ハンブルクで4月代表撮影(2020年 ロイター)
新型コロナウイルス感染症の治療薬として利用されている米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル」について、世界保健機関(WHO)の臨床試験(治験)で死亡率低下にほとんど効果がないとの結果が示されたことを受け、欧州連合(EU)が同社と結んだ10億ユーロ(12億ドル)の供給契約を見直す必要があるとの見方が出ている。
EUは8日、加盟27カ国と、英国を含むパートナー国10カ国を代表して、ギリアドとレムデシビルの供給契約に調印したと発表。欧州医薬品庁(EMA)で患者組織を代表するヤニス・ナトシス氏は、欧州委員会は「ギリアドとの契約を急いだ理由を説明し、WHOの治験結果を踏まえ、契約を見直す必要がある」と述べた。
欧州委の報道官は「公衆衛生を巡る危機の最中にある時は時間が重要になる。ワクチン開発に事前投資するだけでなく、治療薬へのアクセスも確保する必要がある」と述べ、ギリアドと契約を結んだ時点でWHOの治験結果に関してEUが情報を得ていたかについてはコメントを控えた。また、ギリアドと合意した価格を再交渉するかについてもコメントを控えた。
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