最新記事

感染第2波

欧州コロナ第2波が深刻化 オランダは医療逼迫で患者をドイツへ移送、仏は新型コロナ感染100万人突破

2020年10月24日(土)11時40分

欧州が新型コロナウイルス感染第2波の猛威に見舞われる中、フランスでは23日、感染者数が累計で100万人を突破した。写真はパリで18日撮影(2020年 ロイター/Charles Platiau)

欧州が新型コロナウイルス感染第2波の猛威に見舞われる中、フランスでは23日、感染者数が累計で100万人を突破した。感染者が100万人を超えるのは7カ国目。この日の新規感染者は4万2032人で、累計で104万1075人になった。

フランスは夏以降に検査数を増やしており、新規感染者は9月9日に1万人、10月9日に2万人を記録。前日には初めて4万人台に乗せていた。

フランス政府の科学諮問機関に所属する感染症専門家のアルノー・フォンタネ氏は「新型コロナの感染拡大は春よりも速い」と述べた。

スイスでこの日、累計のコロナ感染者が10万人を超えた。1日の新規感染者数も6634人と、これまでの最多を記録した。

政府は経済活動を維持しつつも、全国で感染拡大抑制に向けた制限措置を来週にも導入する見通し。

コロナ感染が深刻化するオランダは、医療機関の逼迫を受けコロナ患者をドイツの病院に移送した。オランダはコロナ禍に見舞われていた3─4月にも患者をドイツに移送していたが、第2破が始めってからは初めて。

オランダではこの日、新規感染者数が約1万人に達した。1日当たりの感染者数は9月半ば以降、ほぼ毎日最多を更新している。

英国では過去1週間の新規感染者数が約3万5200人となり、前週の2万7900人から増加した。

英国立統計局(ONS)の試算では、同国での感染者は先週時点で累計約43万3300人と、130人に1人が感染した計算となる。しかし、一部見通しによると、感染拡大ペースは鈍化している可能性がある。

トルコでは前日、新規感染者数が2100人超となり、5月以来の最多を記録。エルドアン大統領は、感染拡大抑制に向けた新たな措置を検討すると表明した。

保健当局によると、感染者の40%が最大都市イスタンブールに集中しており、首都アンカラの約5倍の水準という。

ロイターの集計によると、欧州での1日当たり新規感染者数は前日に初めて20万人を超え、10日間で2倍超に膨らんだ。

感染拡大が深刻なベルギーでは、この日からソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)を巡る制限措置を強化。ポーランドではレストランとバーが2週間閉鎖され、スペインでは一部の地方自治体が中央政府に夜間外出禁止令の迅速な導入を求めた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・強行退院したトランプが直面する「ウィズ・コロナ選挙戦」の難題
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ



20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中