ネタニヤフはノーベル平和賞受賞に値するか?
The Netanyahu Dilemma
ネタニヤフをノーベル平和賞に推す声に対しては、パレスチナの反発も強い。「ネタニヤフは、平和の担い手などではない。平和へのビジョンを持ってすらいない。自らの罪を逃れようとしているだけだ」と、PLOの元広報担当であるダイアナ・ブトゥは本誌に述べている。
「アラブの2つの国がイスラエルと歩調をそろえようとしていることは、私たちが平和への道を歩んでいることを意味しない。この動きは、戦争犯罪人が報われるような新しい秩序を生み出そうとするものにほかならない」
こうした指摘に対しては、異論もある。「ノーベル平和賞は、平和に貢献した人物に与えられるものであって、性格が善良な人物に与えられるものではない」と、2005年のノーベル経済学賞受賞者であるヘブライ大学(エルサレム)のロバート・オーマン教授は本誌に語っている。
「過去にはマザー・テレサやバラク・オバマ(前米大統領)が受賞したが、彼らは平和を生み出したわけではなかった。その点、ネタニヤフは既に平和をもたらしているし、今後もさらに多くの平和を実現させるだろう」
<2020年10月6日号掲載>
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