ファッション業界でも人種差別へボイコット 黒人デザイナー、イタリアの人種差別に挑む
進歩の兆し
ジーンさんによると、イタリアでは人種問題が語られなかったり、否認されたりする年月が続いてきた。
彼女は今年公開した動画で、黒人やアジア系の出自を持つイタリア人女性たちが、日常的に浴びせられる人種差別的コメントを明らかにする様を紹介している。
ジーンさんは先月「イタリアで黒人の命は大事か」をスローガンに、同国ファッション業界の変革を訴える運動を開始した。
「組織図に黒人の子たちも入れて。肌の色はだれかを採用する決め手にはならないけれど、不採用の理由にもなり得ない」
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)」運動は、ファッション業界にも圧力をもたらしている。
有力ファッション雑誌ヴォーグの著名編集長は6月、黒人人材の昇進が不十分だったことを謝罪。フランスの化粧品大手ロレアルは同月、すべての白人は人種差別主義者という内容の発言をしたことで2017年に解雇していた、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの黒人のモデルを再雇用した。
ジーンさんによると、イタリアでも進歩の兆しが見られる。
米国で黒人男性ジョージ・フロイドさんが警察の暴行により死亡した事件を受け、「イタリアファッション界の重鎮らが、米国の理念に対して前例のない社会的連帯を示した」という。
「ファッション業界において、あらゆる肌の色を持つ女性および男性の声を増幅させていかなければならない」とジーンさんは語った。
(Sophie Davies記者)
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