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中印対立インド、中国国際交流協会「注意を要する団体」に指定 ビザ要請など厳しく審査へ
関係筋によると、インド政府は中国の非営利団体「中国国際交流協会」からのビザ発給要請を厳しく審査するよう指示した。写真はインドのデリーで2007年8月撮影(2020年 ロイター/B Mathur)
関係筋によると、インド政府は中国の非営利団体「中国国際交流協会」からのビザ発給要請を厳しく審査するよう指示した。
中国国際交流協会は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の吉炳軒副委員長が代表を務めているが、インド政府が「注意を要する団体」に指定したという。
インド政府は今週、中国の一部のモバイルアプリの利用を禁止。インターネット市場で高いシェアを持つ中国企業を標的にした措置を打ち出している。
ポンペオ米国務長官も、米大学内に設置されている中国政府の非営利団体「孔子学院」について、年末までに全てを閉鎖することを望んでいると発言している。
インド政府当局者は、中国国際交流協会について、中国共産党中央統一戦線工作部とつながりがあると指摘。統一戦線工作部は指導者や研究員などの養成を通じて海外での影響力を高める活動を進めている。
関係者によると、インド政府は内部文書で中国国際交流協会を「注意を要する団体」に指定。同協会の活動が国益に反する可能性があるとの認識を示した。
これに伴い、同協会の代表や、同協会の支援する団体にビザを発給する際は、安全性を確認することが必要になるという。
中国外務省は、中国国際交流協会について、あらゆる国の社会団体と友好的に交流する非営利組織だと説明。「インドも含め世界中の人々と中国国民の間の相互理解、友好関係を深めることが目的だ」と述べた。
インドの内務省と外務省はコメントを控えている。
インド政府は、中国との関係が悪化する中、インド国内での中国の活動を幅広く調査しており、今回の措置もその一環とみられる。
オーストラリア政府も、州政府や公的機関が外国政府と結んだ契約を連邦政府が撤回できる新たな法律を提案している。
中国国際交流協会は、全人代常務副委員長や副委員長経験者などが代表を務め、中国共産党中央対外連絡部の幹部・元幹部が理事を務めている。
インドの中国研究の専門家であるジャワハルラール・ネルー大学のシュリカント・コンダパリ教授は「(中国国際交流協会は)海外に親中派を増やし、自国のリスクを抑制するため、多くのリソースを活用できる」と指摘。
中国の復旦大学・南アジア研究センターの張家棟教授は、今回の措置について、インドは以前から中国の学者や組織に対するビザの発給を厳しく審査しており、実際的な影響は少ないと指摘。「国内のナショナリズムに配慮した措置だろう」との見方を示した。
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