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監視社会米連邦高裁、スノーデンが暴露したNSAの大量監視に違法判決
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サンフランシスコの米連邦高等裁判所は、エドワード・スノーデン容疑者が暴露した米国家安全保障局(NSA)による大量監視を違法とする判決を下した。写真はスクリーンに映る同容疑者。2019年9月、ベルリンで開かれたイベントで撮影(2020年 ロイター/Fabrizio Bensch)
サンフランシスコの米連邦高等裁判所は2日、エドワード・スノーデン容疑者が暴露した米国家安全保障局(NSA)による大量監視を違法とする判決を下した。大量監視を正当と主張していた米情報機関幹部は真実を語っていないと指摘した。
連邦高裁は、何百万人もの米市民の通信記録を令状なく収集したことは外国情報監視法(FISA)に違反している上、違憲の公算が大きいと言い渡した。
スノーデン氏はツイッターへの投稿で、連邦高裁の判決はNSAによる大量監視を暴露した自分の判断が正しかったことを裏付けていると強調。「裁判所がNSAの活動を違法と非難し、判決の中で暴露した私の功績を認めたことを、生きているうちに見届けるなんて、想像すらしていなかった」と記した。
スノーデン氏は2013年、NSAによる大量監視の実態を英ガーディアン紙に初めて暴露。米情報機関幹部はそれまで、米市民の情報収集を否定していたが、暴露された後は、諜報活動は国内の過激主義対策で極めて重要な役割を担っていることを根拠とする姿勢に転じた。
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