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災害米西部の大規模火災が凶暴化、35人が犠牲に 被害面積は東京都の6倍、その原因と予防策は
米西部カリフォルニア、オレゴン、ワシントン各州では、8月以降に発生した多数の山火事により、被害面積が500万エーカー(160万ヘクタール)を超え、幾つかの小さな町が壊滅的な打撃を受け、数千件の住宅が損壊し、少なくとも35人が犠牲となっている。写真はオレゴン州デトロイトで、山火事によって破損した消防車(2020年 ロイター/Shannon Stapleton)
米西部カリフォルニア、オレゴン、ワシントン各州では、8月以降に発生した多数の山火事により、被害面積が500万エーカー(160万ヘクタール)を超え、幾つかの小さな町が壊滅的な打撃を受け、数千件の住宅が損壊し、少なくとも35人が犠牲となっている。
この地域では、乾燥と間伐されない樹木の生育過剰が過去何十年もの間に進み、幅広い火災の温床になった。一方で火災は件数が増えているだけでなく、より凶暴化して被害を大きくしている。
森林管理のずさんさか気候変動の影響か
トランプ大統領は、主に育ち過ぎた樹木の伐採をしなかったという森林管理の不手際が火災件数増加と火の勢いが強まった理由だと主張。被害が大きいカリフォルニア、オレゴンの両州知事は、気候変動が大きな原因だとの見解だ。
科学者はいずれの要素も関係していると話す。
1900年代初頭以降、積極的な取り組みによって山火事が抑えられ、かえって森林地帯に枯れ木などがたまる結果になった。このことが、より大規模かつ火勢が強く、大々的な被害をもたらす火災を助長する形になっている。
ただ気温上昇や、乾燥と不規則な降雨といった気候変動も引き金と言える。カリフォルニア大学サンディエゴ校クリップス海洋学研究所のダン・キャヤン氏は「われわれは気候変動の影響を過小評価したいと思わない。なぜならその影響は既に相当大きく、将来もっと増大するからだ」と述べた。
どのような気象条件が今年の火災につながったか
この地域は直近の冬が比較的乾燥したままで、森林が乾き切っていたところに、8月になって極端な熱波に見舞われた。この時点で一帯は燃えやすい環境にあった。さらにカリフォルニア南部特有の「サンタアナ」や北部の「ディアブロ」として知られる猛烈な局地的な風が、火災を急速に広げた。
また乾燥でキクイムシがまん延し、カリフォルニアだけで1億5000万本の樹木が枯れ、すぐに燃える大量の「薪」が生まれていた。
キャヤン氏は「これら全てが、いったん発火した場合に火勢がかなり広がってしまう環境を形成している」と指摘した。
カリフォルニアでは降水量が非常に乏しかったところに、雷雨に伴う落雷も急増。8月半ばには、たった1日での落雷が6000回近くと過去最多を記録した。
カリフォルニア州の森林保護・防火局によると、これまでに同州で最も壊滅的な被害を与えた火災10件のうち9件が過去10年間に発生した。火災リスク軽減を目的とする最新の森林管理技術が出てきたにもかかわらずだ。
大規模火災に強い森林づくりに向けた取り組みは
カリフォルニア州は、間伐や手入れが必要な森林が約1500万エーカーあるとしている。こうした作業達成のため、同州は先月、連邦政府の農務省森林局との間で年間100万エーカーの森林整備を進める協定に調印した。
同州は今年、延焼を防ぎ、火災リスクの高い地域の住民を守ることを目指し、森林地帯に空白地帯を設けて自然のバリアとする緊急プロジェクト35件を実行したという。
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