トランプの岩盤支持層「白人キリスト教福音派」もトランプ離れ
RNC Speakers Reach for God; Trump's Support Slips among White Evangelicals
「トランプにとってアメリカのためのビジョンは、礼拝のために教会を訪れることを恥ずかしいと思わず、信仰を表明しても非難されない国にすることだ」と、語るのは、ミズーリ州の男性マーク・マクロスキー。彼は妻と共に、非武装のBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動のデモ参加者に銃を向けた罪で起訴された。
保守系の若者のグループ「ターニングポイントUSA」の26歳のリーダー、チャーリー・カークは、「トランプは、私たちの生活様式、地域、学校、教会、価値観を破壊しようとする暴徒から、私たちの家族、つまり愛する人々を守るために選ばれた」と語った。
「トランプ大統領のアメリカでは、国民は祈りのためにひざまずき、星条旗のために立つ」と、現在トランプ陣営の関係者でドナルト・ジュニアと交際している元FOXニュース司会者キンバリー・ギルフォイルは言う。
白人福音派に対するトランプの支配力が衰え始めたのは、3月の新型コロナウイルスの流行以降だ。それ以来、トランプは宗教問題に焦点を移した。歴史的な教会の前で聖書を掲げた写真を撮影するために、ホワイトハウスの前で平和的に活動していたBLM運動のデモ隊を排除したのもその一例だ。
トランプはまた、感染防止のための自宅待機や休業が続く中、医学の専門家や当局者の助言に反して、教会の再開を認めるよう州に働きかけている。
この世の終わりから救われたい人々
だが、いくら世論調査の数字が悪くなろうと、実際には何も変わらない可能性が高い、と南カリフォルニア大学宗教市民文化センターのリチャード・フローリー専務理事は言う。なぜなら、この手の有権者は、何があっても共和党に投票する可能性が高いからだ。
「福音派が民主党候補に投票するなんて、自然に反している」と、フローリーは言った。「結局のところ、彼らはトランプを支えるだろう。自分たちが聞きたいことを言ってくれるからだ。恐怖はアメリカの福音派の深い部分に訴える。なぜなら彼らは、この世は終わる、我々には救いが必要だ、と考えているからだ」
トランプは2016年大統領選で最終的に白人福音派の81%を獲得したが、選挙前までの白人福音派の支持率は20%ポイントも低かった。また6月のピュー・リサーチの調査によると、白人福音派のトランプ支持率は72%に低下したが、トランプに投票するという人は82%に上っている。
トランプは8月初めにイスラエルとアラブ首長国連邦の歴史的な国交正常化合意を発表した。おかげで、旧約聖書の一節を「神がイスラエルをユダヤ人に与えた」と解釈している白人福音派のトランプへの支持率は、わずかに上がるかもしれない。
フローリーの結論はこうだ。福音派の「一部は(トランプ支持から)脱落するかもしれない」が、「大きな変化はないと思う」。
(翻訳:栗原紀子)
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