トランプはもう負けている?共和党大会
The Republican National Convention Is Already Over
民主党大会では、3人の歴代大統領(バラク・オバマ、ビル・クリントンとビル・カーター)、共和党の元国務長官(コリン・パウエル)や元オハイオ州知事(ジョン・ケーシック)といった錚々たるメンバーだったが、共和党大会での演説が予定されているのはトランプの家族、それにオハイオ州選出のジム・ジョーダン下院議員のような、より「小物の」トランプ支持者だ。ジョーダンは昨年の弾劾公聴会の際、トランプを猛烈に擁護した人物として知られている。注目すべき「著名人」としては上院唯一の共和党黒人議員であるティム・スコット上院議員と、ニッキー・ヘイリー前国連大使。民主党を「過激主義者」に見せるためのさらなる試みとして、6月下旬にセントルイスの自宅前を通る「ブラック・ライブス・マター(BLM:黒人の命は大切)」運動のデモ隊に銃を向けた白人カップル、マーク・マクロスキーと妻パトリシアもリストに含まれている。
トランプの成人した子ども全員も演説を予定。またマイク・ポンペオ国務長官も、公務と政治を混同していると物議を醸しながら外遊先のイスラエルから演説を行う予定だ。
顔ぶれが取り巻きだらけだから、演説の中身も客観性を欠いている。演説者の何人かは、前代未聞の新型コロナウイルス危機からアメリカを守るためトランプは迅速に対応したと言った。だが実際は、アメリカは世界最大の感染国だ。アメリカの人口は世界のわずか4%に過ぎないが、感染者数は世界の4分の1、死者数は22%に達している。事実に基づいたコミュニケーションでは世界最低。コロナ対応が大統領選の主要な論点になるのなら、そしてもし事実が評価基準となるのなら、トランプの失敗は明らかなのだが。
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