コメディーの達人ジャド・アパトーが撮った、自分史上最も正直な物語
Fiction at Its Most Honest
――コメディアンがヒューマンなドラマで名演技を見せるのはなぜ?
コメディアンには正直な人が多い。裏表がなくて、とても知的だ。こうした資質は演技に欠かせない。だから、歴史に残る名演を見せることもある。『トゥルーマン・ショー』のジム・キャリーだとか、『パンチドランク・ラブ』のアダム・サンドラーだとか。シリアスなドラマでは、必ずしも笑いは必要ではない。でもコメディーでは、シリアスな演技と笑いの両方が必要だ。
――9.11は、映画におけるニューヨークの描き方にどう影響した?
今回消防署での撮影で、あの事件に深い関わりを持っていたり、あのとき大切な人を失った人に大勢出会った。テロからまだ数カ月しかたっていない気がした。あんなに勇敢な人々を、僕はほかに知らない。一緒にいると、自分が変わるのが分かった。
――新型コロナウイルスの大流行は、いい意味でコメディーを変えるだろうか。
コメディーの見方は確実に変わるね。コロナの力で、今まで隠れていた人間の本質があらわになるから。
<本誌2020年7月14日号掲載>
<関連記事:どの俳優も共演者を6人たどればケビン・ベーコンに行き着く!?>
【話題の記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる
2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。