悪口をよく言う人ほど「不幸になる」── 言霊の真相を科学で知る
心理学の法則で「返報性の法則」というのがあります。人は誰かに親切にされたとき、「その親切をお返ししないといけない」という気持ちが湧き上がる心理です。
「好意の返報性」を上手に使うと、あなたの信頼度を高め、人間関係を深めることが可能です。しかし、残念なことに世の中の多くの人は、「悪意の返報性」を使っています。
ネガティブな感情に対しては、人はネガティブな感情を返したくなるものです。「倍返しだ!」とやり返してしまうのが、正に「悪意の返報性」。そして人に悪口を言うと、やはり「悪意の返報性」で悪いものが帰ってくるのです。
「本人がいないから悪口を言っても大丈夫」と思っていても、あなたは「よく悪口を言う人」と周りにネガティブな印象を植え付けてしまいます。いつ自分に矛先が向かうかわからないので、周りの人たちは悪口を言う人を心から信頼しないでしょう。
「悪口で不幸になる」から卒業する方法
健康を害し、信頼を失う悪口をやめるにはどうしたらいいでしょうか? いちばんの近道は「自分を褒める」ことです。悪口を言う人は、自己肯定感が低い人。つまり、自己肯定感が高まれば、悪口は自然と減っていきます。
気に入らない相手をおとしめるのではなく、自分を高めることによって、相手と自分のギャップを埋めればいいのです。自分のささいな成功を独り言でいいので、褒めてみる。褒めるのが無理なら、ネガティブをポジティブに置き換えるだけでもいいでしょう。
例えば、同期入社のAくんが自分より先に昇進した場合。「たいした能力もないのに、先に昇進しやがって!」(ネガティブ)と言いたいところを「俺も頑張って、すぐに追いつくぞ」(ポジティブ)と言い換えたり。
自分の中でポジティブな言動を積み上げることで、自己肯定感が高まり、怒りや嫉妬、不充足感が満たされ、ネガティブな感情を抑えることができます。結果、悪口や誹謗中傷から卒業できるわけです。