最新記事

中東

【レバノン大爆発】日頃の戦争を上回る最大の悲劇に団結する中東諸国

Foe Factions U.S. and Israel, Syria and Iran Offer Lebanon Aid After Blast

2020年8月6日(木)18時15分
トム・オコナー

イランのハサン・ロウハニ大統領もレバノンのアウン大統領に電話で連絡。今回の爆発が起きる前から既に経済危機やインフラの崩壊、新型コロナウイルスの影響などに苦しんでいたレバノンに対して、医療支援の提供を約束した。ロウハニは閣議で、イランの赤新月社に対して、できる限り迅速にレバノンに支援を送るよう命じた。

またイランの最高指導者であるアリ・ハメネイ師と革命防衛隊のホセイン・サラミ司令官も、レバノンにお悔やみのメッセージを送り、レバノン国家とヒズボラの両方に宛てた声明の中で「爆発の被害を受けた人々を支援するために、レバノンの政府と国民にあらゆる支援を提供する」と宣言した。

イラン軍の制服組トップであるモハマド・バゲリ参謀総長は、全てのイスラム教国に「宗教上、人道上の責務に従って」支援を送るよう呼びかけ、イラン軍は「親愛なる、悲しみの縁にあるレバノンのための救援・支援に参加する」と表明した。バゲリはまた、ヒズボラに宛てた別のメッセージの中で哀悼の意を表明。ヒズボラは「地域の最前線で反シオニズム運動を展開し、西アジアのイスラム領土の治安を見出すイスラエルの陰謀を潰してきた」と、その功績を称賛した。

トランプは「攻撃による爆発」と発言

アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は4日に声明を出し、米当局者たちは爆発を受けて「状況を注視しており、レバノンの国民を支援するための用意はできている」と述べた。ドナルド・トランプ米大統領もその後の記者会見で支援を表明したが、爆発について「ひどい攻撃」と言及。爆発は、現場とみられる倉庫で保管されていた化学物質や花火、穀物が原因で起きた「事故」だとする有力な説を否定し、軍の高官たちから「なんらかの爆弾による攻撃」とみられるとの報告を受けたと述べた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏の政権復帰に市場は楽観的、関税政策の先行

ワールド

フーシ派、イスラエル関連船舶のみを標的に ガザ停戦

ビジネス

高関税は消費者負担増のリスク、イケア運営会社トップ

ワールド

「永遠に残る化学物質」、EUが使用禁止計画 消費者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 7
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 8
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブー…
  • 9
    注目を集めた「ロサンゼルス山火事」映像...空に広が…
  • 10
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 6
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 9
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中