最新記事

感染第2波

韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か

2020年8月21日(金)17時16分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

ラジオ局が24時間停波という異常事態も

今回の感染第2波は、様々な方面へ影響が出ている。日本で賛否両論が飛び交ったGoToキャンペーンだが、韓国でも同じように政府主催の宿泊割引クーポンを配布していた。日本同様、観光客減少によって売り上げが落ち込む旅行業界を救済するためのキャンペーンだったが、今回、感染第2波が広まったことを受け19日に予約の中断を発表した。

さらに、コロナ感染拡大当初から大きなあおりを受けたが、徐々に回復の兆しを見せ始めていたエンターテインメント業界にも影響が出始めている。ラジオ局CBSでは、『キム・ヒョンジョンのニュースショー』に出演していた記者の感染が発覚したため、19日から24時間放送中止という異例の事態となった。

テレビ業界も多くの人が出入りするため、感染防止に気を配ってはいたものの、徐々に感染者が増え始めている。19日KBSドラマ『あいつがそいつだ』では、出演中だった俳優ソン・ソンジュン氏がコロナに感染したと発表、撮影の中断を余儀なくされた。また、このスタッフのうち数人は『ドドソソララソ』という別のドラマも掛け持ちしていた為、こちらの撮影中断も発表された。

教育系の放送局EBSでは、『Kpop韓国語』のプロデューサー1名と、出演者3名も感染が発覚した。調査により14日の収録の際に感染したものとみられ、現在濃厚接触者を含む全員の隔離体勢に入っている。

演劇・ミュージカル界でも感染や公演中止が

日本でも、演劇公演でクラスターが発生したが、韓国でも同じく演劇・ミュージカル業界でのクラスターが深刻化している。まず、ドラマ出演中に感染発覚したソン・ソンジュン氏が19日から30日まで出演予定だった演劇『チャンポン&牛』は、ソン氏のほかスタッフ出演者合わせて39名が検査を受け、現在15名の感染が発覚したことをSNSを通じて発表した。7名が陰性で、残りは結果待ちの状態だという。もちろん、上演は中止が決定している。

また、ドラマ『あいつがそいつだ』に出演した俳優2名が、オファーされていたミュージカル『Bare The Musical』は、19日この俳優2名の降板を発表した。ソン氏との濃厚接触などはなかったが、スタッフや小道具を通じての感染もあり得るため、万が一に備えてキャストの変更をしたという。

その他にも、舞台『ワイフ』の出演俳優が使用した練習室を、その数時間前に感染者が使っていたことが発覚し、降板騒ぎとなった。また、ミュージカル『Something Rotten!』の出演俳優も感染者と接触したことが分かりキャスト変更が行われた。この俳優は後に陰性判定が出ている。

またスタッフ・出演陣に感染者が出ていなくても、感染拡大防止のため公演を中止する動きが見え始めた。ミュージカル『モーツアルト!』は今月23日まで行われるはずだった上演を、3.4日早める予定と発表している。上演中だったミュージカル『マーダーバラード』と、演劇『花煎歌』は上演の中止が、ミュージカル『ショーマストゴーオン!』は上演の無期延期が発表された。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

「ロボタクシー撤退」の米GM、運転支援技術に注力へ

ビジネス

米キャタピラー、通期売上高は微減の見通し 需要低迷

ワールド

欧州委員長、電動化や競争巡りEUの自動車業界と協議

ワールド

米高裁、21歳未満成人への銃販売禁止に違憲判断
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 5
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中