最新記事

感染症対策

オランダとベルギーでも新型コロナ再感染を確認 ワクチンの免疫効果に懸念も

2020年8月26日(水)12時14分

オランダとベルギーの報道によると、両国でそれぞれ1人の患者が新型コロナウイルスに再感染したことが確認された。写真はブリュッセルの病院で7月撮影(2020年 ロイター/Johanna Geron)

オランダとベルギーで25日、それぞれ1人が新型コロナウイルスに再感染したことが確認された。香港でも今週、新型コロナ感染症から回復した男性が4カ月半後に再感染した事例が報告されており、免疫の効果を巡る懸念が高まっている。

ワクチン接種の効果を疑問視する声も出ているが、専門家は、さらに多くの再感染の事例が確認されない限り、ワクチンの効果を疑問視することはできないと分析している。

オランダ放送協会によると、オランダの患者は年配で、免疫システムが低下していた。

オランダ政府のアドバイザーを務めるウイルス学者は、再感染が起きること自体は予想されていたとし「再感染の事例が相次ぐかどうかに注目する必要がある」と述べた。

ベルギーの公共放送VRTによると、同国の患者は女性で、3月第2週に新型コロナに初めて感染した後、6月に再び感染した。

ベルギーのウイルス学者は、今後同様の事例が報告される公算が大きいとしつつも、「多数報告されることはないだろうが、見極める必要がある」と述べた。

その上で「ワクチンを毎年、もしくは2─3年ごとに接種する必要が出てくる可能性がある。10年程度の効果は見込めなさそうだ」との見方を示した。

ベルギーの患者は症状が比較的軽く、十分な抗体ができずに再感染した可能性があるという。

専門家からは、再感染のケースが今後も報告される公算が大きいものの、ウイルス感染の変化ではなくコロナ検査件数の増加が背景との声も聞かれる。

しかし、ある専門家は、1回目の感染によって免疫を獲得できない可能性のほか、ワクチンが予想ほどの期待をもたらさない可能性が高まっていることに懸念を示した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・韓国、新型コロナ第2波突入 大規模クラスターの元凶「サラン第一教会」とは何者か
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200901issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、就任初日に関税導入せず 通商関係の検証

ワールド

トランプ氏、「パリ協定」離脱を表明 就任直後に文書

ワールド

台湾南部でM6.4の地震、TSMCの一部工場で従業

ワールド

再送トランプ米大統領が就任、「黄金時代」誓う 国境
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブーイングと擁護の声...「PR目的」「キャサリン妃なら非難されない」
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 6
    台湾侵攻にうってつけのバージ(艀)建造が露見、「…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 9
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 10
    身元特定を避け「顔の近くに手榴弾を...」北朝鮮兵士…
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中