最新記事

韓国

胆汁が新型コロナの特効薬に? 韓国ツキノワグマの受難

2020年7月28日(火)17時40分
ニーナ・シエ

韓国ではツキノワグマの胆汁が珍重される NGUYEN HUY KHAM-REUTERS

<肝臓や胆嚢にまつわる病気の治療に効くと韓国で珍重されてきたツキノワグマの胆汁が、今度はコロナの治療薬として......>

新型コロナウイルス対策のためにツキノワグマを殺すのはやめて──韓国の動物愛護団体が文在寅(ムン・ジェイン)政権への働き掛けを強めている。

韓国では、肝臓や胆嚢にまつわるあらゆる病気の治療にツキノワグマの胆汁が効くとする民間療法が広く信じられており、金以上の高値が付くほど珍重されている。国内各地の農場で飼育されているツキノワグマは1600頭に上るという。

動物愛護団体は以前から臓器を目的としたツキノワグマの屠畜に反対してきたが、ここにきて新型コロナウイルス感染症の治療薬として胆汁の需要が急増するとの懸念が浮上。ツキノワグマを保護するよう政府に要望する活動を改めて強化している。

こうした行為が合法とされているのは韓国と中国のみ。個体数の激減を受けて、韓国政府は過去に野生のツキノワグマを国立公園内の保護区で放し飼いにする試みを行ったが、密猟が横行して失敗に終わっている。

<本誌2020年8月4日号掲載>

【関連記事】コロナが一変させたワクチン開発のスピード感 早期実用化のためにプロセスを効率化

【話題の記事】
全長7mの巨大ヘビが女性を丸のみ インドネシア、被害続発する事情とは
大丈夫かトランプ 大統領の精神状態を疑う声が噴出
韓国のコロナ対策を称える日本に欠ける視点
あまりにも悲痛な事態を前に言葉を失うアメリカ社会

20200804issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月4日号(7月28日発売)は「ルポ新宿歌舞伎町 『夜の街』のリアル」特集。コロナでやり玉に挙がるホストクラブは本当に「けしからん」存在なのか――(ルポ執筆:石戸 諭) PLUS 押谷教授独占インタビュー「全国民PCRが感染の制御に役立たない理由」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ、対米貿易黒字200億ドルに削減模索 農産物な

ワールド

マスク氏、州裁判官選挙に介入 保守派支持者に賞金1

ワールド

米テキサス・ニューメキシコ州のはしか感染20%増、

ビジネス

米FRB、7月から3回連続で25bp利下げへ=ゴー
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中