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米中対立

米中戦争を避けるため中国は成都総領事館を選んだ

2020年7月28日(火)13時30分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

また習近平が最も重要視しているのは中国共産党による一党支配体制の維持なので、戦争はその安定性を乱すから避けたいというのが本音だと思われる。

そのためにも「日本と仲良くしたい!」のである。日本と仲良くしておけば、米中間の軍事的リスクを中国に有利な方向にいくらかでも回避できる。

この意味においても日本の媚中政治家は今何が起きているのか、その真相を正確に把握する必要があるだろう。

なお、ポンペオの「新しい鉄のカーテン」演説の中で、「中国人民」を共闘の仲間に入れていることに違和感を覚えた。いま中国共産党政府を転覆させようと思っている中国人民がいかほどいるだろうか。コロナ前の先進国に押し寄せていた爆買い中国人の大群を知っているだろう。中国をそこに持って行ったのは誰か。

日本とアメリカだ。

一方、中国人民にとって中国政府を倒して何が得られるか。倒すためには命も失う。それだけの価値があると思っている中国人民がどれだけいるか。

「甘い夢」を見てはいけない。

アメリカはまだ十分には夢から覚めていないし、日本の政治家は「夢の真っただ中」にいることを見逃してはならない。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

Endo_Tahara_book.jpg[執筆者]遠藤 誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』(実業之日本社、8月初旬出版)、『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』、『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』,『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。
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