超希少ゴリラの子連れの群れ、初めて撮影に成功
Rarest Gorilla Subspecies Appears on Camera with Babies
絶滅が懸念されるクロスリバーゴリラだが、次世代が元気に育っているようだ WCS NIGERIA
<エコツーリズムによるゴリラとの共存を目指し、自ら狩猟を禁じてきたアフリカの村にも大きな希望が>
アフリカのナイジェリアとカメルーンの国境にまたがる1万2000平方キロ程の山地の森に生息するクロスリバーゴリラは、今ではせいぜい300頭しか残っていないとみられている。ゴリラの亜種の中でも最も深刻に絶滅が懸念される種類だが、生息数の回復に希望の兆しが見えてきた。
国境地帯のムベ山脈に設置されたカメラトラップ(自動撮影装置)が今年5月と6月にとらえた画像に、赤ちゃんを連れた群れの姿が映っていたのだ。複数の幼いゴリラを連れたクロスリバーゴリラの群れが撮影されたのは、これが初めてだ。
ニューヨークのブロンクス動物園に本部を置く野生生物保護協会(WCS)が7月8日に公開した画像には、成熟したゴリラの群れに数頭の幼いゴリラが混じり、母ゴリラの背中に乗った赤ちゃんの姿も映っている。
密猟の犠牲に
クロスリバーゴリラは1904年に初めて記録され、1980年代までに絶滅したと見られていた。その後生息が確認されたが、撮影されたのは数回にすぎない。人が近づきにくい未開発の山地に生息し、人目に触れることはめったにない。
2012年にカメルーンのカグウェネ・ゴリラ保護区に設置されたカメラトラップがとらえた画像がその理由を物語っていた。そこに映った群れの1頭は、片手を失っていたのだ。WCSは、密猟者が仕掛けた罠から逃れようとして負傷したと推測した。
密猟は何十年も行われてきたが、それでも繁殖が可能な生息数はかろうじて維持されてきたようだ。その証拠に2013年に撮影された数点の画像には、赤ちゃんを連れた1頭の母ゴリラが映っていた。
今回の画像はそれ以上に保護関係者を喜ばせた。複数の幼いゴリラを含む単一の群れを初めて確認できたからだ。
「若いクロスリバーゴリラが多くいるのを目の当たりにして、とても興奮した。何十年も狩猟が行われた末、今では十分に保護され、繁殖が行われていることが分かった」と、WSCのクロスリバーゴリラ保護プロジェクトを率いるイナオヨム・イモンは報道資料で述べている。「地元のハンターはゴリラ狩りをやめたようだが、密猟の脅威がなくなったわけではない。さらに効果的な対策を打ち出していく必要がある」
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