イラン核施設周辺で不審火相次ぐ 「謎のグループ」が犯行声明
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火事が発生したナタンズの核施設(7月2日) ATOMIC ENERGY ORGANIZATION OF IRAN-WANA-REUTERS
<「反体制派」を自称するグループからの犯行予告が確認されるも、イラン政府が疑うのは...>
7月2日にイラン中部ナタンズの核施設で発生した火事について、BBCペルシャ語放送は正体不明のグループが犯行を名乗り出たと報じた。
ナタンズの核施設にはウラン濃縮施設がある。イラン原子力庁のベフルーズ・カマルバンディ報道官は国営イスラム共和国通信に対し、この「事故」による人的被害も莫大な被害もなく、放射能汚染もないと発言。だがこの直後に、BBCペルシャ語放送は自社の記者宛てに「ホームランド・チーターズ」と自称するグループから犯行を予告する声明が届いていたと報じた。このグループは「イラン治安機関内に存在する反体制派」を名乗っているという。
カマルバンディはこの事故を軽視する姿勢を見せたが、イランではここ1週間のうちに不審なガス爆発がほかにも2件発生している。イラン政府には、アメリカやイスラエルなどイランの核開発を妨害しようとしてきた国による妨害工作だとする見方が浮上している。
<2020年7月14日号掲載>
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