「君たちのせいだよ」ベルリン地下鉄のマスク着用徹底の秘策とは?
また、車内は禁煙だが、外でも「ドアから○メートル以内の喫煙は禁止」という北米のような決まりがないので、地上にある駅などでは発車ギリギリまでホームのドア付近でタバコを吸って、そのままタバコの臭いを全身に纏ったまま飛び乗ってくる人もいる。さらに、長距離線になると車内でアルコールを消費する人も少なくない。
ベルリンでは6月末より、マスク着用義務のある場所で着用を拒否した場合、50ユーロの罰金を課している。違反を繰り返した場合、500ユーロまで罰金が上がる可能性がある。いっその事、罰金の額を大幅に上げたほうが、皆マスクを正しく着用してくれるようになるのではないかという気がしないでもない。
黒人への蔑称を用いた駅名を変更
だが、BVGはおふざけばかりしているわけではない。ベルリン地下鉄にはMohrenstrasse「モーアレン通り」という名の駅があったが、このMohrは中世中高ドイツ語で北アフリカのムーア人などを指していたのが、近世になってしだいに黒人への蔑称となっていった(現在のムーア人のスペルはMauren)。現代ではMohrはほとんど使用されないが、中世の貿易の名残として商標などに残されている場合がある。「モーアレン通り」の駅名は以前から非難されていたが、BLM運動をきっかけに、抗議者たちによって「モーアレン」の上に「ジョージ・フロイド」(アメリカで白人警官に殺害された黒人)の名が貼られたりした。
3日、BVGは正式にこの駅名を変更することを発表。新しい名称はロシアの作曲家ミハイル・イワノビッチ・グリンカ (1804〜1857)にちなんで「グリンカ通り」になるそうだ。