韓国でも女性スポーツ選手が自殺 22歳のトライアスリートを追い込んだセクハラといじめの実態
スポーツ選手へのセクハラ、アメリカでも
もちろん、この問題は韓国に限ったことではない。6月24日ネットフリックスで『あるアスリートの告発(Athlete A)』というドキュメンタリー映画が公開された。これは2016年の「アメリカ体操連盟性虐待事件」を追ったドキュメンタリーである、実際の被害者と事件をスクープした新聞記者らが顔出しで出演し話題となった。
そのインタビューの中で、被害者の元体操選手は「選手をコントロールしやすくするために、暴力・暴言・セクハラが行われている」と語っている。暴力や暴言で圧倒して狭い世界に追い込み、ロボットのように洗脳するのだという。
チームは監督とチームドクターらの「王国」
チェ・スクヒョン選手の同僚2人も、記者会見の場で「(チーム内は)監督とチームドクター、一部の選手による閉鎖的な王国だった」と発言している。スポーツ界に共通する闇がそこにはあったのかもしれない。
『あるアスリートの告発』では、結果的に加害者のチームドクターは175年の禁固刑が言い渡され、事実上の終身刑となった。その後、虐待の事実を知っていながら申告しなかったコーチらも捕まっている。映画の終盤、120名を超える被害者女性たちが加害者のドクターを前に、法廷で証言するクライマックスはすさまじいインパクトを感じさせる。
一方、今回の事件はチェ・スクヒョン選手の自殺という最悪な結果をきっかけに明るみになった。もう少し早く発覚していればチェ選手を助けられていたのではないか。そう考えると残念でならないとともに、今現在も世界のどこかで起こっているかもしれないスポーツ界でのパワハラやセクハラを取り締まり、第二の全米元体操選手たちやチェ・スクヒョン選手を出さないように取り組んでいくことを願ってやまない。
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