韓国は「脱日本」の成功を強調 日本の輸出規制から1年、その実態は?
文在寅大統領は「日本とは違う道歩む」と強調......
<日本政府が韓国向け輸出規制を実施してから1年余り、文在寅大統領は、官民の協力で核心素材を国産化し危機を克服して、「日本とは違う道歩む」と強調した......>
日本政府が韓国向け輸出規制を実施してから1年余りが経過し、2020年7月9日、文在寅大統領は訪問した京畿道利川のSKハイニックスで、日本政府の輸出規制のなか、官民の協力で核心素材を国産化したとし、また、1件の生産支障もなく危機を克服して、「日本とは違う道歩む」と強調した。
半導体関連工場を抱える京畿道は、「脱日本技術独立」を宣言
朝鮮日報は、半導体の重要素材である気体フッ化水素を生産する日本の昭和電工の1年間の営業利益が59%減少した一方、韓国のラムテクノロジーは営業利益が74%増加したなどとして、輸出規制による被害は日本企業の方が大きいと報じた。
同紙はまた韓国の半導体企業が、素材の国産化や調達先の多角化に取り組み、大きな打撃もなく持ちこたえることができたと評価するが、業界は衝撃を最小化できたに過ぎないとみる。
2019年7月1日、日本政府が韓国向け輸出規制を発表すると、韓国の半導体とディスプレイ産業が大きな影響を受けるという見方が広がった。域内に多くの半導体関連工場を抱える京畿道は、「脱日本技術独立」を宣言して道内企業の研究開発支援に着手した。300億ウォン以上の技術開発費を支援し、19年10月からは1500億ウォンの特例保証を行って200社以上の設備や運転資金を支援した。今後5年間でさらに2000億ウォンを投じる予定だ。
日本製フッ化水素は12.5%まで低下
日本政府が最初に輸出を規制したフッ化水素、フォトレジスト(感光液)、フッ化ポリイミドは半導体とディスプレイの核心素材で、日本依存が90%に達していた。また、日本政府が韓国をグループA(旧ホワイト国)から除外して審査が強化された品目のうち、日本の輸出額が100万ドルを超え、かつ韓国の日本依存度が70%以上の品目の56.7%を半導体・ディスプレイ関連が占めている。
半導体メーカーのサムスン電子やSKハイニックス、ディスプレイメーカーのLGディスプレイやサムスンディスプレイが打撃を受けるとみられていたが、1年を振り返ってみて、いずれも大きな支障はなかった。
韓国貿易協会によると、19年1月から4月に輸入されたフッ化水素は日本製が44.7%を占めていたが、20年は12.5%まで低下した。ディスプレイメーカーは、液体フッ化水素を100%韓国製に切り替え、半導体は韓国製や中国から輸入して精製したフッ化水素の使用割合を増やし、日本製は重要な工程のみの使用に切り替えた。また、気体フッ化水素の一部をアメリカ製に替える多角化で対応した。