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米中関係米当局、中国共産党幹部へのビザ発給制限 香港安全法制めぐり圧力強化
ポンペオ米国務長官は26日、香港の自治制限に関与した疑いがある中国共産党当局者に対するビザ発給を制限すると発表した。写真は中国の国旗(2020年 ロイター/Carlos Garcia Rawlins)
ポンペオ米国務長官は26日、香港の自治制限に関与した疑いがある中国共産党幹部に対するビザ発給を制限すると発表した。
ポンペオ長官は声明で「トランプ大統領は香港の自由の抑圧に関与した中国共産党当局者に対する措置を講じると表明していた。きょう、その措置を講じる」とし、「香港の高度な自治の制限に関与した疑いのある中国共産党の現職の当局者、および元当局者に対するビザ発給を制限する」と表明した。ただ具体的に制限の対象となる人物は特定しなかった。
その上で、中国に対し香港に「高度な自治」を認める確約を順守するよう呼び掛け、米国はこうした懸念への対応の検証を継続するとした。
前日には米議会上院が、香港の自治の制限に関与した個人や企業に制裁を科すことを定めた香港自治法案を可決したばかり。
中国全国人民代表大会(全人代)は5月28日、香港への統制を強める「香港国家安全法」の制定方針を圧倒的賛成多数で採択。その後、国営新華社通信が全人代常務委員会は6月18日に始まった会議で審議を始めると伝えたが、採決時期は不明。
こうした中、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、中国当局者の話として、米国が「一線を越える」なら通商合意は危機にひんする恐れがあると報道。米国が香港や台湾などの問題に「干渉」すれば中国の米国製品購入は損なわれかねないとした。この報道を受け、26日の米国株式相場は大幅安の展開となった。
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