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河野防衛相「北朝鮮情勢で情報収集、金委員長の健康状態疑われる」

2020年6月25日(木)17時53分

河野太郎防衛相(写真)は、都内の海外特派員協会で講演を行い、北朝鮮を巡る情勢について情報を収集中とした上で、金正恩朝鮮労働党委員長の「健康状態が疑われる」との認識を示した。首相官邸で2019年9月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

河野太郎防衛相は25日、都内の海外特派員協会で講演を行い、北朝鮮を巡る情勢について情報を収集中とした上で、金正恩朝鮮労働党委員長の「健康状態が疑われる」との認識を示した。一方、敵基地攻撃能力の獲得については選択肢として排除しないと述べた。講演・質疑応答は英語で行われた。

先制攻撃・敵基地攻撃、「用語わかりにくい」

北朝鮮情勢に関しては、情報収集を行っているとした上で、現時点での仮説として、1)新型コロナウイルスが北朝鮮でも感染拡大したため金委員長が公の場に現れなくなっている可能性、2)金委員長の健康状態が疑われる、3)昨年の農産物不作など経済的苦境にあるため対外的にスケープゴートを求め強硬策に出ている──ことなどをあげた。

陸上ミサイル防衛システム「イージス・アショア」の配備撤回を受けて「先制攻撃能力の獲得を目指すのか」との質問に対しては、「あらゆる可能性を排除しない」、「自民党で議論の俎上に載っており見守っていく」と述べた。

同時に「先制攻撃」、「敵基地攻撃」といった用語の正確な意味はわかりにくい(confusing)と指摘し、敵基地攻撃能力と憲法との関連に関する質問はけん制した。

東京五輪、「来年開催できれば良い」

安倍晋三首相に関しては、アベノミクスによるデフレ脱却や平和安全法制などさまざまなレガシー(政治的遺産)があると評価。一方で、東京五輪・パラリンピックについては「来年開催されれば良いが、注視している」と述べた。

また、日本は脱原発の道を歩むかとの質問には「それは『河野首相』が喜んでお答えするだろう」と述べ、会場の笑いを誘った。

(竹本能文 編集:田中志保)

[ロイター]


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