警察を占拠したデモ隊の「自治区」に流れる不穏な空気
Seattle Protesters Set Up Barricades, Prepare to Defend CHOP From Police
ダーカンは、警察が入れない自治区で銃撃事件が発生しているのは、デモ参加者が求める変化を足元から損なうものであることを訴えた。
自治区ではこれまで2度の発砲事件が起き、死傷者が出ている。20日早朝、19歳のロレンツォ・アンダーソンが銃撃で死亡、もう一人の男性も重傷を負った。2人とも自家用車で病院に運ばれた。警官は「暴力的な群衆」に阻まれて、犠牲者の元に駆けつけることができなかったという。
2度目は21日の夜だ。シアトル警察によれば、17歳の少年が腕に銃弾による傷を負った。だが少年は捜査官の質問に答えることを拒否した。
平和的な抗議行動は続いてもいいが、夜間の暴力は終わらせなければならない、とダーカンは言った。
自治区のリーダーたちも、週末に起きた発砲事件の後、みずから「夜を徹して集会を開くべきではないと判断した」と、ダーカンは指摘した。
ダーカンによれば、自治区の解体は警察ではなく地域社会のリーダーたちが主導するものになるという。
また黒人コミュニティへの投資、警察活動を「考え直し、視点を変える」こと、州全体の警察組合の改革など、デモ参加者の要求の一部に対処すると約束した。
(翻訳:栗原紀子)
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