問題を抱える医療制度、貧困、移民......医療ドラマから見えてくる米国のリアル
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無保険者の数は2500万人以上
ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、米国は現在、新型コロナウイルスへの感染が確認された感染者数が、世界の中でも群を抜いて多い。この原因として、同国の医療制度の問題を挙げる声もある。
バラク・オバマ前大統領は、医療保険制度改革を押し進めていた。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、医療保険制度改革法(通称オバマケア)が可決された当時(2010年)は、18〜64歳の米国人のうち、無保険という人の割合は22.3%だった。2016年にはこれが12.4%にまで下がった。
オバマケアが成立してから今年で10年だが、それでもまだ、さまざまな理由から、米国では国民皆保険が実現されていない。しかも、一度は減ったはずの「無保険者」の数は、ここ数年で再び増えているという。
米国勢調査局の調べによると、「1年間のどの時点でも保険に入っていなかった」という人の割合は、2017年には7.9%(2560万人)にまで減ったが、2018年には8.5%(2750万人)に増加した。この背景には、2017年に就任したトランプ大統領が、税制改革の一貫として、オバマケアへの個人の加入義務を撤廃したことなどがある。
英ガーディアン紙は、コロナで失業者が激増していることから、無保険者の数はさらに増えることが予測されると指摘している。
「重病よりも払えない医療費の方が不安」という現実
米国が抱える医療制度の問題は、米国人の病気との向き合い方にも大きな影響を及ぼしている。ギャラップが2019年12月に発表した調査によると、2006年以降毎年平均で30%の米国人が、経済的な理由で治療を先延ばしにしているという。
シカゴ大学と医療研究所のウェスト・ヘルス・インスティチュートが2018年に行った調査では、重病になるのが心配だと回答した人の割合(33%)よりも、重病になったら医療費が払えないので心配だと答えた人の割合(40%)の方が高かった。『ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ』でも、米国人の医療制度に対するこうした不安がリアルに描かれている。
前述のガーディアンはまた、患者よりも利益を優先させる制度が米国のコロナ禍を悪化させたと指摘している。ドラマでは、マンハイマーをモデルにした主人公である医療ディレクターのマックス・グッドウィンが、こうした利益主義に反発し、患者ファーストを貫こうと奮闘する姿も見どころになっている。米国人の理想の医療従事者を体現しているのが、ドラマの中のグッドウィンなのだろう。
『ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ』トレーラー
なお、『ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ』は、米国で2018年に放送開始。現在はシーズン2が放送されているが、早くもシーズン5までの制作が決定している。原作者のエリック・マンハイマーがプロデューサーとしても名を連ねる他、シアトルの病院を舞台にしたドラマ『グレイズ・アナトミー』のエグゼクティブ・プロデューサー、ピーター・ホートンが本作品でもエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。
●命を削って患者を守る、限界突破のメディカル・ドラマ!
『ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ』
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「ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ」
DVD-BOX 2020年7月8日(水) 発売 ¥9,500(税抜)
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「ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ」DVD
VOL.1~6 6月24日(水) レンタル開始
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・公式サイト newamsterdam-tv.jp
・発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
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