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北朝鮮金正恩、政治局会議で自給自足経済訴え
朝鮮中央通信(KCNA)は、北朝鮮で朝鮮労働党の政治局会議が開かれ、金正恩委員長(中央)が出席したと報じた。化学業界を含めた経済プロジェクトについて話し合われたという。写真はKCNAが7日に提供(2020年 ロイター)
朝鮮中央通信(KCNA)は8日、北朝鮮で朝鮮労働党の政治局会議が開かれ、金正恩委員長が出席したと報じた。化学業界を含めた経済プロジェクトについて話し合われたという。
KCNAによると、2日にわたる会議では「同国における自給自足経済のさらなる推進と、人々の生活水準改善に伴う重要な問題」が議題となった。
北朝鮮は韓国の脱北者団体が北朝鮮の体制を批判するビラを散布している問題で、韓国側の対応を繰り返し批判しており、南北連絡事務所や他の南北事業の廃止を警告。ただ、金委員長は政治局会議でこの問題には触れなかった。
韓国統一省は、南北連絡事務所の北朝鮮側担当が8日、2018年以来初めて、定時連絡に応じなかったと明らかにした。同省はこれまで、韓国は南北合意に引き続き従う意向で、国内の団体に北朝鮮へのビラなどの配布を禁止する法案を検討していると明らかにしている。
一方、KCNAによると、政治局会議では化学業界が「国家経済の主要な推進力」であると繰り返し強調され、金委員長は「肥料生産能力の拡大を最優先事項にする必要性を強く主張した」という。
北朝鮮経済は核開発に絡んだ国際的な制裁措置で既に打撃を受けており、新型コロナウイルスの世界的流行でさらに圧迫されている。
金委員長を巡っては一時健康不安説が取り沙汰されていたが、KCNAは、金氏が5月1日に肥料工場の完工式に出席したと報じている。
政治局会議はまた、市民の生活水準の改善に住宅建設の必要性を訴えた。
KCNAは「最高指導者は住宅建設を含め、人々の生活条件の向上に強力な措置を取ると強調した」と報じた。
*内容を追加しました。
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