「新しい生活様式を自分で実践しますか」専門家会議に参加している公衆衛生学者に聞いた
ADAPTING TO THE NEW NORMAL
いつから同僚や友人と飲み会を再開し始めますか?と聞いたところ、今は「忙しいので無理だなあ」とのことだが、親しい間柄で信頼できる友人に自宅での食事会に誘われたら、行くかどうかは「関係性と状況」によるそうだ。
関係性とは、相手との信頼関係、上司や恩師など年上の方で後で自分が陽性と分かった際に迷惑をかけないか、同年代でも後日にコロナ陽性と分かったら相手に正直に言えるかどうかということ。
状況とはコロナが地域で流行している時期かどうか、緊急性があるか、ということ。飲み会の参加者が不特定多数でないということも重要だ。
孫がおじいちゃんおばあちゃんに会いたいと言ってきたら? 和田は「それぞれの体調にもよる。毎年インフルエンザは学校での流行が11月から12月頃。その後お正月があり、帰省の時期になると感染者の年齢層が変わり、大人そして、その後は老人へと感染が広がる。
流行のピークが1月の2週目頃になるのはそうした人の動きによる。こうしたことがコロナでも起き得るかもしれない」。
だから、「大丈夫かな」と不安を覚えるような体調の悪い際に無理して帰省はしない。例えば、今は流行が比較的落ち着いている時期だ。
和田は東京への移動はどうしているのか? 朝晩の通勤電車は「3密」を作るのでよくないだろうと思うが......。
返って来たのは意外な答えだった。「通勤は普段どおり電車です。でも電車を降りたら必ず手洗いはしています」。逆に避けるべきは朝礼や向かい合った会議など。その理由は、コロナでの感染経路は飛沫(唾や咳での感染)が大きな割合を占めることが分かりだしたからだと言う。
米疾病対策センター(CDC)も「接触感染は主な感染ルートではないと考える」と、飛沫感染が主と示唆。ガイドラインを5月になって変えてきたという。「声を出す」「咳をする」が、「触る」ことよりもリスクが大きい。通勤電車はマスクをしていればよいし、「接触」したら洗い流せばよい。だから普通に通勤しているとのことだった。