韓国居住の外国人困惑 再入国の手続き厳格化で
韓国政府は6月1日から居住外国人の再入国を制限すると発表した REUTERS/Kim Hong-Ji
<韓国政府は6月1日から居住外国人の再入国を制限すると発表し、韓国に居住する外国人の反発が相次いでいる.....>
韓国の首都圏で新型コロナウイルスの集団感染が再発し、政府は5月29日午後6時から6月14日まで防疫管理を強化すると発表した。
首都圏の美術館や博物館、公園、国公立劇場など公共施設の運営を中止し、政府や自治体、公共機関が開催する行事は取りやめるか延期となる。
ソウル・梨泰院のクラブで発生した集団感染は7次感染まで広がり、小中学校の生徒や教職員の感染も相次いでいる。800校を超える学校が5月27日から予定していた登校を延期した。
居住外国人の再入国を制限
5月6日、韓国政府は新型コロナウイルス感染の減少を受け、外出自粛等の規制を緩和したのだが、翌5月7日、ソウル・梨泰院のクラブから集団感染が広がった。25日0時までに確認されたクラブ関連の感染者は237人で、127人がソウル市内で見つかった。
4月1日以降、韓国政府は海外からの入国者に2週間の隔離を義務付けるが、6月1日から居住外国人の再入国を制限すると発表した。外国人登録をしている長期滞在外国人は、外交ビザを除いて出国前、出入国管理事務所に申請書と事由書を提出し、申請手数料3万ウォンを支払って再入国許可を申請しなければならない。
また、搭乗と入国審査の際、現地の医療機関が48時間以内に発行した韓国語または英語の診断書の提出を義務付ける。再入国許可を申請せずに出国した外国人と診断書を所持していない外国人は再入国を認めない。
法務部は、韓国に居住する外国人が国外に出て、新型コロナに感染した後に入国するケースが確認されたことによる一時的な措置と説明するが、人権侵害だとして反発する声が上がっている。外国人登録がある居住外国人は査証期限まで、自由に出入国できるのが原則だからだ。
韓国には2018年時点で236万人の外国人が居住し、全住民の4.5%を占めている。さらに発表が施行のわずか8日前で、韓国語はもとより英語の診断書の発行が難しい国もある。
大統領府のホームページに改善を求める請願が出され、7000人以上が同意した。法務部は、3週間以内の短期出張者は、出国前に「診断免除書」を提出すると診断書が免除される制度に改めた。再入国規制を発表した前日の22日、隔離義務違反で20代の日本人が拘束された。入国後2週間の隔離義務違反で外国人が拘束されたはじめての事例である。