韓国居住の外国人困惑 再入国の手続き厳格化で
物流センターやコールセンターで集団感染
新型コロナウイルスの'入国'を防ぎたい韓国だが、首都圏で集団感染が再発している。通販会社を中心に感染が広がっているのだ。
5月23日、ソフトバンクグループが出資しているインターネット通販大手、クーパンの京畿道富川市(プチョン)にある物流センターで従業員に感染が確認された。京畿道は従業員と訪問者4156人に加え、配達員2500人の名簿を入手して検査を実施し、28日午前10時までにセンターに関連する86人の感染が見つかった。
仁川市富平区と富川市のコールセンターでも感染者が確認されたが、いずれもクーパン富川物流センターで短期アルバイト勤務をしていたことが判明し、京畿道高陽市のクーパン高陽物流センターや広州市の現代グリーンフード京仁センターでも関連する感染者が見つかるなど、広い範囲に拡大している。クーパン社は26日、富川物流センターを閉鎖し、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は、同センターに対して5月28日から2週間、施設閉鎖に当たる集合禁止命令を発令した。
集団感染はソウルでも発生している。ソウル市中区のKB生命保険コールセンターで8人の感染者が見つかり、松坡区(ソンパ)の食品専門通販会社、マーケット・カーリーでも感染者が見つかった。
インターネット通販各社は、在宅勤務の拡大で注文が増え、アルバイトを増強したが、日雇い勤務は防疫管理の徹底が難しい。有給制度がある長期勤務者と違い、外見的症状のない短期勤務者は休暇を取りづらい。作業中はマスクを着用するが、アルバイトの急増で食堂や休憩室が手狭になり、マスクを外した従業員の密集が避けられない状況になっている。
各社は商品を少しでも早く受け取りたいニーズに応えるため、独自の配送システムを導入しており、当局は配達人が媒介する感染拡大を懸念している。
800校を超える学校が5月27日から予定していた登校を延期
韓国教育部は、小中高校など5月27日を基準に学年ごとに新学期の登校日を決めていたが、561の幼稚園、初等学校、中学校、高校が登校を延期した。
富川市は全251校が登校を延期し、慶尚北道亀尾市の182校、仁川市富平区153校、ソウル市117校など延期が相次いでいる。また、ソウル汝矣島の塾講師と塾に通う2人の中学生に感染が見つかり、近隣の学校が午前中で生徒を帰宅させるなど、277校が一度登校させたあと延期を決め、登校延期は全国2万902校の4%に当たる838校となった。教育当局は、分散登校や校内の防疫ルールを再点検するなど状況を見守っている。