最新記事
韓国

韓国居住の外国人困惑 再入国の手続き厳格化で

2020年6月1日(月)17時15分
佐々木和義

物流センターやコールセンターで集団感染

新型コロナウイルスの'入国'を防ぎたい韓国だが、首都圏で集団感染が再発している。通販会社を中心に感染が広がっているのだ。

5月23日、ソフトバンクグループが出資しているインターネット通販大手、クーパンの京畿道富川市(プチョン)にある物流センターで従業員に感染が確認された。京畿道は従業員と訪問者4156人に加え、配達員2500人の名簿を入手して検査を実施し、28日午前10時までにセンターに関連する86人の感染が見つかった。

仁川市富平区と富川市のコールセンターでも感染者が確認されたが、いずれもクーパン富川物流センターで短期アルバイト勤務をしていたことが判明し、京畿道高陽市のクーパン高陽物流センターや広州市の現代グリーンフード京仁センターでも関連する感染者が見つかるなど、広い範囲に拡大している。クーパン社は26日、富川物流センターを閉鎖し、李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事は、同センターに対して5月28日から2週間、施設閉鎖に当たる集合禁止命令を発令した。

集団感染はソウルでも発生している。ソウル市中区のKB生命保険コールセンターで8人の感染者が見つかり、松坡区(ソンパ)の食品専門通販会社、マーケット・カーリーでも感染者が見つかった。

インターネット通販各社は、在宅勤務の拡大で注文が増え、アルバイトを増強したが、日雇い勤務は防疫管理の徹底が難しい。有給制度がある長期勤務者と違い、外見的症状のない短期勤務者は休暇を取りづらい。作業中はマスクを着用するが、アルバイトの急増で食堂や休憩室が手狭になり、マスクを外した従業員の密集が避けられない状況になっている。

各社は商品を少しでも早く受け取りたいニーズに応えるため、独自の配送システムを導入しており、当局は配達人が媒介する感染拡大を懸念している。

800校を超える学校が5月27日から予定していた登校を延期

韓国教育部は、小中高校など5月27日を基準に学年ごとに新学期の登校日を決めていたが、561の幼稚園、初等学校、中学校、高校が登校を延期した。

富川市は全251校が登校を延期し、慶尚北道亀尾市の182校、仁川市富平区153校、ソウル市117校など延期が相次いでいる。また、ソウル汝矣島の塾講師と塾に通う2人の中学生に感染が見つかり、近隣の学校が午前中で生徒を帰宅させるなど、277校が一度登校させたあと延期を決め、登校延期は全国2万902校の4%に当たる838校となった。教育当局は、分散登校や校内の防疫ルールを再点検するなど状況を見守っている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国新築住宅価格、10月は-0.5% 1年ぶり大幅

ワールド

アマゾンとマイクロソフト、エヌビディアの対中輸出制

ワールド

米、台湾への戦闘機部品売却計画を承認 3.3億ドル

ワールド

ファイザー、肥満症薬開発メッツェラの買収を完了
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 6
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 10
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中