貧困、紛争に苦しむ脆弱国家からの、コロナ第2波を防ぐには
第1は、迅速で簡便な方法で弱者保護を行うこと。そのために、対象者を絞り込むより、国民全員に給付を行うべき場合もあるだろう。遅滞なく給付を行うために、スマートフォンを活用してもいい。
第2は、国内の食料、特に主要作物の生産を増やすこと。
第3は、ワクチンが実用化されたとき、資金力の乏しい脆弱国家も入手できるように国際社会が配慮すること。感染症に関しては、全ての国が安全にならない限り、どの国も安全を得られない。
第4は、脆弱国家の企業に直接の支援を行うこと。特に、中小企業への支援が重要だ。
第5は、豊かな国々が脆弱国家を財政面で支援すること。巨額の債務を抱える国々は今、債権者に債務を返済するか、国民を救うかの二者択一になっている場合が多い。豊かな国々は、債務返済を猶予し、さらには全ての国が新型コロナウイルス対策の緊急資金を確保できるようにすべきだ。
新型コロナウイルスは、脆弱国家の傷を一層深めるだろう。それでも、世界が迅速に行動すれば、その悪影響を和らげられる。
<本誌2020年6月30日号掲載>
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