最新記事

新型コロナウイルス

貧困、紛争に苦しむ脆弱国家からの、コロナ第2波を防ぐには

2020年6月25日(木)15時45分
デービッド・キャメロン(元英首相)、エレン・サーリーフ(前リベリア大統領)、ドナルド・カベルカ(アフリカ連合平和基金特使)

第1は、迅速で簡便な方法で弱者保護を行うこと。そのために、対象者を絞り込むより、国民全員に給付を行うべき場合もあるだろう。遅滞なく給付を行うために、スマートフォンを活用してもいい。

第2は、国内の食料、特に主要作物の生産を増やすこと。

第3は、ワクチンが実用化されたとき、資金力の乏しい脆弱国家も入手できるように国際社会が配慮すること。感染症に関しては、全ての国が安全にならない限り、どの国も安全を得られない。

第4は、脆弱国家の企業に直接の支援を行うこと。特に、中小企業への支援が重要だ。

第5は、豊かな国々が脆弱国家を財政面で支援すること。巨額の債務を抱える国々は今、債権者に債務を返済するか、国民を救うかの二者択一になっている場合が多い。豊かな国々は、債務返済を猶予し、さらには全ての国が新型コロナウイルス対策の緊急資金を確保できるようにすべきだ。

新型コロナウイルスは、脆弱国家の傷を一層深めるだろう。それでも、世界が迅速に行動すれば、その悪影響を和らげられる。

©Project Syndicate

<本誌2020年6月30日号掲載>

【話題の記事】
スウェーデンの新型コロナ感染者数が1日最多に、死亡率も世界屈指
異例の猛暑でドイツの過激な「ヌーディズム」が全開
「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に
街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...

20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中