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感染症対策インド、国内線の運航再開に全座席シールド設置など厳格な規制 チケット価格に上限も設定
インド民間航空省は、国内線を来週再開するのを前に、航空チケットの価格に上限を設け、客室乗務員の防護服やゴーグル着用を義務付ける厳格な規制を発表した。アーメダバードの空港で2017年7月撮影(2020年 ロイター/Amit Dave)
インド民間航空省は21日、国内線を来週再開するのを前に、航空チケットの価格に上限を設け、客室乗務員の防護服やゴーグル着用を義務付ける厳格な規制を発表した。
インドでは2カ月前から、新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための封鎖措置が続けられてきた。インドの航空会社は国内線に限り、運航便の3分の1の再開を25日から認められる。
新たに発表された運航規制は8月24日まで有効で、乗務員による体全体を覆う防護装備の着用や利用客の検温とマスク着用、全座席のシールド設置、機内の食事提供の禁止などが含まれ、運賃の上下限も設けられた。
インド保健省によると、国内の新型コロナ感染者数は前日から5609人増えて、累計11万2359人となった。増加ペースはまだ高い。死者数は3435人。
航空シンクタンク・CAPAのインド担当責任者、カピル・カウル氏は「規制は厳格だが、感染が引き続き拡大しているため、必要かもしれない。ただ、運賃上限は残念な決定で、航空会社に打撃を与える」と述べた。
インドのプーリー民間航空相は記者団に、潜在需要が強いのを考慮し、航空チケットの価格が急騰するのを防ぐために運航時間に応じた運賃規制を決めたと説明した。
ムンバイとデリー間の2時間の便では、運賃の下限は3500ルピー(46ドル)、上限は1万ルピー(132ドル)となり、販売されるチケットの40%は価格が上下限の中央値を下回っている必要がある。
国内航空大手のインディゴやスパイスジェットを含む航空各社は3月25日以来、運航を停止している。
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