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日本政治検察庁法改正案、委員会採決を持ち越し 野党は担当相の不信任案提出
検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案を審議していた衆議院内閣委員会は15日、採決をせず、散会した。写真は国会議事堂。東京で2016年7月に撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)
検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案を審議していた衆議院内閣委員会は15日、採決をせず、散会した。立憲民主党など野党が武田良太国家公務員制度担当相の委員会答弁が説明責任を果たしていないとして、不信任決議案を衆院に提出したため。同法案を巡ってはツイッター上で多数の抗議の声が上がったほか、検察OBが反対の意見書を法務省に提出、与党内からも一部異論が出ている。法案の採決は来週以降に持ち越された。
検察庁法改正案は、検事総長以外の検察官の定年を現在の63歳から65歳にする内容。内閣が認めれば次長検事や検事長ら幹部は最長66歳まで留任、検事総長は68歳まで延長可能となる。
これまで衆院内閣委員会で審議されてきたが、与野党は14日、検察庁を所管する森雅子法相が出席することで15日に審議する日程で合意。与党側は同日中に委員会採決を行い、来週の衆院通過を目指していた。
野党側は、内閣が定年を延長する際の基準が明確に示せないのであれば、改正案は恣意的に運用される可能性があり三権分立を脅かすと批判し、後藤祐一委員(立国社)などが基準について質問。これに対して森法相は「今後定めていく事由については人事院規則に準じて定めてまいりたいと思うので、今すぐ出すことは困難」など答弁した。
安倍晋三首相は14日の記者会見で法改正により「三権分立が侵害されることはなく、恣意的な人事が行われることは全くないと断言したい」と説明している。
(竹本能文※)
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