最新記事

米中関係

トランプ「新型コロナウイルス、武漢の研究所が発生源の可能性を確信」

2020年5月1日(金)13時00分

トランプ米大統領は4月30日、新型コロナウイルスが中国武漢の研究所が発生源となっている可能性を確信していると述べた。証拠については言及を避けた。ホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は30日、中国武漢の研究所が新型コロナウイルスの発生源となった可能性を確信していると述べた。ただ、証拠については言及を避けた。

トランプ氏はホワイトハウスのイベントで、新型コロナが武漢のウイルス研究所から発生したかとの質問に対して、そうであるとかなり確信していると述べた。

証拠を見たのかとの質問には「見た」と答えたものの、具体的には言及せず、「話すことはできないし、許されない」と語った。

中国政府系研究所「武漢ウイルス研究所(WIV)」は、同研究所が新型コロナウイルスを製造し漏洩させたとする説を事実無根として否定している。

トランプ氏はこれまで、新型コロナが武漢ウイルス研究所から流出したかどうかを米政府が調査中だと明らかにしている。

ポンペオ米国務長官は30日のラジオ局とのインタビューで、新型コロナウイルスが同研究所から発生したかどうかは「分からない」と述べた。「生鮮市場あるいは他の場所から発生したかどうかはわれわれには分からない。答えを知らない」と述べた。

トランプ氏は、中国が新型コロナのリスクについて迅速かつ透明性のある情報開示を怠ったと主張している。同日のイベントでは、中国が新型コロナの感染拡大を止められなかったか、もしくは拡大させた可能性もあるとの見方を示した。しかし、習近平国家主席に責任があるかどうかについては言及を避けた。

トランプ氏は、新型コロナがどのように発生したのか突き止める中国の取り組みについて、「少なくともわれわれに対し幾分透明性のある対応をしようとしているようだ」と述べた。

その上で「しかし、それはこれから分かることだ。そう遠くないうちに分かるだろう。こうした状況が起きたのは悲惨だ。中国がミスをしたのか、もしくはミスで始まったことにさらに誤った対応をしたのか。それとも誰かが意図的に何かしたのだろうか」と語った。

[ワシントン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・政府、緊急事態宣言を全国一律1カ月程度延長へ 明日の専門家会議で判断
・韓国そして中国でも「再陽性」増加 新型コロナウイルス、SARSにない未知の特性
・東京都、新型コロナウイルス新規感染46人確認 都内合計4152人に
・新型コロナウイルス感染症で「目が痛む」人が増えている?


20050512issue_cover_150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB忍耐必要、6月までの政策変更排除せず=クリー

ワールド

ロシア、北朝鮮製ミサイルでキーウ攻撃=ウクライナ軍

ビジネス

関税の影響見極めには年後半までかかる─ウォラーFR

ワールド

トランプ氏「中国を債務不履行にすべき」、ボーイング
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 2
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 3
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 6
    謎に包まれた7世紀の古戦場...正確な場所を突き止め…
  • 7
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 8
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 9
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中