ランニングや自転車、飛沫は遠くへ 最低10メートル開けて──仏スポーツ省が要請
ランニングや自転車、飛沫は遠くへ
4月上旬、ある研究者がツイッターなどで発表した論文が、ランニングやサイクリングの愛好家の間で話題になり、さまざまなメディアでも取り上げられた。
(1/2) #COVID19 #SocialDistancing when walking/running/#cycling nearby non-family members. Summary in @hbvl & @HLN_BE. Message: keep exercising but stay outside slipstreams. Movie below: for walking.
— Bert Blocken (@realBertBlocken) April 7, 2020
Research @TUeindhoven @LeuvenU @ansys #CFD #aerodynamics #COVID #CoronaCrisis pic.twitter.com/LFA7EkU5xG
「Social Distancing v2.0: During Walking, Running and Cycling」(「ウォーキング、ランニング、サイクリング中の対人距離について」第2版)という未査読の論文で、ベルギーとオランダの研究者らによるものだ。
論文によると、ランニングやサイクリングなど人が高速で動く場合、スリップストリームと呼ばれる空気の流れや、人の動きによって、止まっている人と比べて飛沫がより遠くへ飛ぶようになる。そのため、新型コロナウイルスで一般的に必要とされている対人距離の1.5メートルでは適切ではなく、縦に並んでランニングやサイクリングをする場合、10メートル以上開けることが必要だとしている。
スポーツ省の判断は、こうした研究をもとにした可能性が高い。とはいえAFPは、パリなど人口密度の高い都市で、公道を走るランナーがどうやって他の人と10メートル以上開けられるのかは不明だと指摘している。また、これを守らなかった場合に、どういった罰則が科されるのかは明らかにされていない。
罰金が伴う厳しい外出規制の中で、屋外に出られる数少ない理由の一つがランニングであるため、パリではランナー人口がかなり増加しているようだ。4月上旬の週末には天候が良かったことも手伝い、パリ市内はランニングしたりウォーキングしたりする人たちで賑わったという。
フランス24によると、ちょうどその頃、フランス全土では1日の死者数が軒並み増加していた。このためパリ当局は4月7日、日中(朝10時~午後7時)の屋外でのランニングを禁止した。このため現在も、5月11日のロックダウン解除までは、この時間帯を避けないと屋外ではランニングできない状態になっている。