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感染症対策WHO、新型コロナウイルス抗体の免疫認定に警鐘 「回復者が再感染しない証拠はない」
世界保健機関(WHO)は、COVID─19(新型コロナウイルス感染症)から回復し、抗体を持つ人が再び新型コロナウイルスに感染しないという証拠は現時点ではないとの見解を示した。ジュネーブで6日撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)
世界保健機関(WHO)は25日、COVID─19(新型コロナウイルス感染症)から回復し、抗体を持つ人が再び新型コロナウイルスに感染しないという証拠は現時点ではないとの見解を示した。
WHOは、新型コロナに一度感染した人に免疫があると認定しないよう各国政府に警告し、そうした認定の正確性は保証できないとした。
認定すれば、回復した人が新型コロナの標準的な予防策に関するアドバイスを無視する可能性があるため、感染拡大が続くリスクが高まる可能性があるという。
WHOは「一部の政府は、COVID─19を引き起こすウイルス(SARS─CoV─2)の抗体が確認された場合、免疫を認定する根拠になり得るとし、再感染リスクがないとの想定から個人に移動や職場復帰を認める方針を示している」と指摘。その上で「現時点でCOVID─19から回復し抗体を持つ人が再感染から保護されている証拠はない」と説明した。
南米チリは今月、新型コロナ感染症から回復したと見なされる人に「健康パスポート」の配布を始める方針を表明した。検査で抗体が確認された人は直ちに職場に復帰することが可能になる。
WHOは引き続き、新型コロナに対する抗体反応に関するデータを検証するとした。
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