韓国、新型コロナへの強硬な対応と生活費の支援で、与党圧勝
スマホのアプリと連動したリストバンドで市民監視
防疫当局は「自宅隔離者安全保護アプリ」を導入する。隔離者の携帯電話にGPSを活用したアプリをインストールして行動を監視するが、アプリの設置は同意者に限られ、4月2日時点のソウルの自宅隔離者9千511人中2千38人がアプリを設置していなかった。また、アプリをインストールしたスマートフォンを自宅に置いて外出する例が相次いでいる。
位置情報システム(GIS)による24時間の監視体制を維持する一方、ソウル市は「AIモニタリングコールシステム」を導入する。安全保護アプリをインストールしていない自宅隔離者に電話をかけて状況を把握するためである。
当局はまた一部の自治体が行なっていた抜き打ち点検を全国に拡大する方針を定めた。自治体の担当者と警察官が週2回、アプリを設置していない隔離者や違反歴がある人の隔離場所を事前連絡を行わずに訪問する。
また、住民が違反者を申告する市民監視システムを導入し、さらにスマートフォンのアプリと連動した電子リストバンドを導入する。リストバンドがアプリをインストールしたスマートフォンから20メートル離れると警報が鳴るシステムである。
緊急生活費の支給の支援策が浮動票の獲得に繋がった
政府や自治体は、強硬手段で新型コロナウイスの拡散防止に取り組む一方で住民への支援も計画する。京畿道はすべての道民に支援金10万ウォンを支給すると述べ、ソウル市は所得に応じた緊急生活費の支給を開始した。
選挙戦中盤の4月6日、野党第一党の未来統合党が国民1人当たり50万ウォンを支給する案を発表すると、共に民主党は所得下位70%世帯への支給を検討していた支援金100万ウォン(4人家族基準)を全世帯に拡大する方針に転換した。仁川市は外国人にも支給する方針だが、ソウル市や京畿道、政府は選挙権がない外国人は対象外だ。
与党の圧勝は予想されていなかった。政策の失敗で景気が低迷し、自営業者や零細事業者など多くの人が困窮している。チョ・グク元法務部長官の任命と辞任も追い討ちをかけた。接戦が予想されたが、新型コロナウイルスに対する強硬な対応と支援策が浮動票の獲得に繋がったとみられている。