コロナ対応医療関係者への給料3倍:中国は2003年から法制化
中国でも武漢の最前線で働き続けた若い女医が、武漢の封鎖解除によりようやく故郷に戻り14日間の隔離を終えて幼子に再開しようとしたのだが、過労がたたって隔離から解除される前に心臓マヒを起こして死亡したという例もある。
2020年1月20日
今般の新型コロナウイルス肺炎に関して習近平は1月20日になって、ようやく「重要指示」を出した。おまけにその出し方は「国家衛生健康管理委員会」の指名を受けたハイレベル専門家チームのトップである鍾南山の警告を受けた李克強からの強い要求があった結果だ。その論拠に関しては1月24日のコラム<新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示はなぜ遅れたのか?>や2月10日のコラム<新型肺炎以来、なぜ李克強が習近平より目立つのか?>あるいは3月18日のコラム<中国はなぜコロナ大拡散から抜け出せたのか?>をご覧いただければ明白だろう。
今回の分析の線上で言うならば、更に歴然とした証拠がある。それは習近平が雲南で春節巡りなどをしていた1月20日、「重要指示」を出したその日に、国家衛生健康委員会は「中華人民共和国伝染防治法に基づいて法定伝染病と指定する」という公告を出しているという事実からも読み取ることができる。鍾南山の警告に基づき、習近平が雲南で春節巡りをしている最中に、既に緊急対応が実行に入ったということだ。
封鎖中の医療物資や生活インフラは国有企業が担当
その医療従事者たちが潤滑に救護活動を遂行するためには、医療従事者が用いる防護服やマスクあるいはアルコール消毒液などが不可欠だし、また患者に用いる人口呼吸器なども欠くことができない。
武漢が完全封鎖に入り、湖北のほとんどの地域をはじめとした中国全土が外出禁止にある中、こういった医療物資を誰が生産するのか、また生産されたものをどのような手段で誰が運搬するのかなども問題となる。
それだけではない。食糧問題や電力などのエネルギー供給をどうするのかは死活問題だ。電気など、一秒間たりとも止めるわけにはいかない。
そこで中国では一般の民間企業の活動停止などの指示を出すと同時に、こういった基本的な救助および生活インフラ問題の解決を国有企業が負担し、間断なく提供するという施策を実行した。たとえば3組のローテーションで8時間労働を保ち、体力の限界が来ないようにする一方、こういった業務の従事者にも特別の手当てを給付している。