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日本政治政府、緊急事態宣言を全国一律1カ月程度延長へ 明日の専門家会議で判断
政府は新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の期間を全国を対象に1カ月程度延長する方向で検討に入った。最短5月末を軸に、地域に応じた段階的な解除などを検討する見通し。写真は東京都内のパチンコ店が並ぶ一角。4月28日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
政府は新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の期間を全国を対象に1カ月程度延長する方向で検討に入った。最短5月末を軸に、地域に応じた段階的な解除などを検討する見通し。5月1日にも開催する専門家会議の意見を踏まえ、安倍晋三首相が総合判断する。複数の政府・与党関係者が明らかにした。
政府は4月7日に緊急事態宣言を7都府県に発令、16日には対象を全国に拡大した。発令当初は人と人の接触を8割削減できれば2週間で感染拡大がピークアウトし減少に転じるとの見通しから、期限を5月6日に定めていた。
しかし東京都で100人台の新規感染者が続くなど、感染拡大が止まらない状況が続いている。全国知事会が29日に開催したテレビ会議では、緊急事態宣言を全国一律で延長すべきとの意見が多数でた。
安倍晋三首相も29日の参院予算委員で「5月6日にこれで終わったといえるか、依然厳しい状況が続いている」との認識を示し、延長の必要性を示唆していた。
関係筋によると1日にも開かれる専門家会議の分析内容を踏まえ、首相が延長の基本方針を示す。延長の正式な手続きは4日前後にずれ込む見通し。延長に関する首相の国会報告時期も今後詰める。1カ月後の解除の在り方についても、今後地域に応じてどのような形態とするか議論する見通し。
野党の間では、延長すれば30日に成立する見通しの20年度補正予算を盛り込んだ緊急経済対策では規模が不十分との指摘もあるが、政府側は補正に計上している1.5兆円の予備費で対応する姿勢。今後の状況に応じて2次補正予算の必要性などが議論される可能性はある。
(竹本能文)
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