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感染症欧州疾病センター「新型コロナウイルス、喫煙者に重症化リスク」
欧州連合(EU)の専門機関、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は25日、喫煙者、および以前に喫煙していた人が新型コロナウイルスに感染すると症状が重くなる恐れがあるとする研究結果を報告した。シドニーで2017年5月撮影(2020年 ロイター/JASON REED)
欧州連合(EU)の専門機関、欧州疾病予防管理センター(ECDC)は25日、喫煙者、および以前に喫煙していた人が新型コロナウイルスに感染すると症状が重くなる恐れがあるとする研究結果を報告した。
ECDCは、喫煙者、および以前喫煙していた人が新型ウイルスに感染すると呼吸障害が出やすくなるとし、こうした人達を高リスクグループに含めることを推奨している。
ECDCは南カリフォルニア大学の研究結果を引用し、新型ウイルス(SARS─CoV2)がヒト細胞に感染する際に利用するアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)が喫煙により肺の中で活性化するため、喫煙者が感染すると重症化する恐れがあると指摘。ACE2は加齢のほか、高血圧の一部治療法によっても活性化するため、これらもともにリスク要因になるとした。
また、ACE2は現在喫煙している人よりも、以前に喫煙していた人の方が活性化している可能性があるとも報告した。
ECDCはこのほか、中国では感染者の80%が軽症だったが、欧州ではこの比率が70%と報告。欧州では感染者10人に3人の割合で入院が必要になっているとした。
さらに、年齢が70歳以上で、高血圧、糖尿病、心血管系疾患などの基礎疾患を持っている人が新型ウイルスに対し最も抵抗力が弱いと指摘。女性よりも男性の方がリスクが高いとも報告した。
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