最新記事

感染症対策

スペイン、新型コロナウイルスでバルセロナ近郊の町封鎖 経済対策も発表

2020年3月13日(金)09時35分

スペインは国内で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、主要都市バルセロナ近郊の4つの町を封鎖し、経済への影響に対応する措置を発表した。写真はアクセスが制限されたイグアラダの町(2020年 ロイター/Nacho Doce)

スペインは12日、国内で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、主要都市バルセロナ近郊の4つの町を封鎖し、経済への影響に対応する措置を発表した。

北東部カタルーニャ州の警察当局者によると、同州当局が州都バルセロナの北49キロに位置するイグアラダ周辺の町を封鎖した。同地域での急激な感染拡大を受けた措置という。

アクセスが制限されたのはイグアラダ、ビラノバ・デル・カミ、サンタ・マラガリダ・デ・モンブイ、オデナ。スペインが移動を制限するのは新型ウイルスの感染が確認されて以降初めて。

カタルーニャ政府報道官によると、約7万人がこの隔離措置の影響を受ける。

スペインは国内で感染が確認された当初、ほとんど対応を取らなかった。だが、感染者の急増を受け、今週に入って方針を転換。欧州で感染状況が最も深刻なイタリアからの航空便の運行停止を命じ、国内や海外の渡航に注意を呼び掛けた。

全国的な学校の休校も少なくとも2週間続ける。

サンチェス首相は、180億ユーロ規模の経済対策を発表した。このうち大部分は小規模事業の納税遅延などを認める措置に充てられる。

また、28億ユーロを地方の保健当局に、10億ユーロを中央政府の保健当局に、4億ユーロを観光業の支援に振り向ける。

サンチェス首相はまた、閣僚の中から新型ウイルス感染者が出たことを受け、会議をビデオ中継で行う。

スペインでの新型ウイルス感染による死者は12日に84人となり、前日から80%近く急増した。

野党国民党のパブロ・カサド党首は、首相が発表した経済対策について「失望」したとし、より断固とした措置を取るよう求めた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・ついにアメリカでも火がついた新型コロナ危機「数百万人が感染しかねない」と米高官
・スペイン、首都マドリードで新型コロナウイルス患者急増 保健当局「医療対応に限界」


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国尹大統領に逮捕状発付、現職初 支持者らが裁判所

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 8
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 9
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 10
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中