韓国の新興宗教、新型コロナが浮き彫りにした闇の側面とは?
ただ、こうした新興宗教団体は、あくまでも社会の傍流に位置する存在だ。その点は誤解すべきでない。
しかし、自我や居場所を見いだせずに苦悩している人にとって、新興宗教団体は貴重な避難場所になっている。同調圧力が強く、儒教文化の重圧が強い韓国社会では、この点が大きな意味を持つ。入信した人たちはすぐに新しい環境を心地よく感じ、その「家族」から抜けたり、幹部信者の言葉に疑問を抱いたりすることが難しくなる。
新型コロナウイルスと新天地イエス教会の問題が韓国における新興宗教団体の地位にどのような影響を及ぼすかは、現時点では不明だ。新天地イエス教会は感染拡大をめぐり謝罪したが、世論の怒りは収まっていない。
韓国の新興宗教団体の虚偽や腐敗、信者の洗脳といった問題は、これまで韓国流の信仰の在り方として大目に見られてきた。だが、今後はもっと厳しい目を向けられるようになるのかもしれない。
From thediplomat.com
<2020年3月17日号掲載>
【参考記事】韓国、新型肺炎の集団感染を起こした新興宗教「新天地イエス教会」の正体
【参考記事】韓国で集団感染を起こした新興宗教団体は、今最も警戒される教団だった
2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症VS人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。