最新記事

アメリカ政治

トランプ、新型コロナウイルス対策法案で議会と対立 ワクチン価格めぐり

2020年3月4日(水)09時14分

 3月3日、米議会は、最大90億ドル規模の新型コロナウイルス対応緊急予算措置を巡りトランプ大統領(写真)と合意に近づいた。ただ、民主党の上院トップ、シューマー院内総務は、ワクチン価格を巡る意見の対立が合意を阻んでいると明らかにした。ワシントンで撮影(2020年 ロイター/Carlos Barria)

米議会は3日、最大90億ドル規模の新型コロナウイルス対応緊急予算措置を巡りトランプ大統領と合意に近づいた。ただ、民主党の上院トップ、シューマー院内総務は、ワクチン価格を巡る意見の対立が合意を阻んでいると明らかにした。

上下両院の指導部はこの対立を解消し、週内に議会で可決したい考えを示した。

予算を巡る交渉に詳しい関係筋によると、問題となっているのは民主党による2つの要求で、1つは、新型コロナウイルスのワクチンの価格は「公正で妥当な」水準であるべきとの文言を予算案に含めるというもので、もう1つはワクチンを購入する経済的余裕のない人々を政府が支援するという内容。

共和党の関係者からコメントは得られていない。

トランプ大統領は、約85億ドル規模の予算措置がまとまるだろうと指摘。政権側が当初要請した25億ドルを大幅に上回る。一方、下院のホイヤー院内総務(民主党)は予算案はまだ作成中としながらも、「80億もしくは90億ドル」が米経済に注入される可能性があると述べた。

予算措置の詳細はまだ明らかになっていないが、民主党の議員らによると、下院が作成中の案には、州・地方政府による感染拡大への緊急対応に向けた予算が含まれる見通しで、感染拡大の影響を受けている中小企業向けの無利子融資も盛り込まれる可能性があるという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・中国人全面入国規制が決断できない安倍政権の「国家統治能力」
・新型コロナウイルス、感染ショックの後に日本を襲う4つの最悪シナリオ


20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

オープンAIのアルトマン氏、オクロ会長を退任 両社

ビジネス

EU、ロシアとの新規ガス契約禁じる選択肢検討=当局

ワールド

IMF、サウジの2025年成長率見通しを3%に下方

ビジネス

トランプ氏、FRB議長を「解任するつもりない」 利
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 2
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 3
    パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「利下げ」は悪手で逆効果
  • 4
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 5
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 6
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 7
    日本の人口減少「衝撃の実態」...データは何を語る?
  • 8
    コロナ「武漢研究所説」強調する米政府の新サイト立…
  • 9
    なぜ世界中の人が「日本アニメ」にハマるのか?...鬼…
  • 10
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中