最新記事

難民

ギリシャ・レスボス島沖でシリア人男児死亡 トルコの難民越境容認後初の死者

2020年3月3日(火)12時16分

ギリシャ当局は、レスボス島沖で転覆したボートに乗っていたシリア人の男児が2日に死亡したと発表した。トルコが先週、欧州連合(EU)への難民流入を容認して以降、死者が報告されたのは初めて。写真はレスボス島に到着したトルコ難民ら(2020年 ロイター/Alkis Konstantinidis)

ギリシャ当局は、レスボス島沖で転覆したボートに乗っていたシリア人の男児が2日に死亡したと発表した。トルコが先週、欧州連合(EU)への難民流入を容認して以降、死者が報告されたのは初めて。

これとは別に、トルコの治安筋2人がロイターに明らかにしたところによると、トルコからの越境を阻止しようとしたギリシャ治安部隊の介入によって負傷したシリア難民1人が死亡した。ギリシャ当局は「偽ニュース」としてこれを否定している。

トルコ政府が先週、EUへの難民流入を阻止しない方針を示して以降、シリアやアフガニスタンなどの難民1万人以上が、EU加盟国のギリシャおよびブルガリアとトルコの国境に到達した。

ギリシャ警察によると、同国のエーゲ海諸島にも1日までに少なくとも1000人の難民が到達したという。

ゲオルギアデス開発相はSkaiTVに対し、「これは侵略だ」と述べた。

欧州を目指す難民が押し寄せる中、ギリシャとトルコの国境では、双方の警察が群衆に向かって催涙ガスを使用する事態も起きており、100万人以上の難民がトルコから欧州に流入した2015─16年の難民危機を思い起こさせる。

ギリシャ首相府は、ミツォタキス首相が国境の状況についてトランプ米大統領と協議したことを明らかにした。それによると、トランプ氏は「国境で法を執行するギリシャの権利」に理解を示したという。

[カスタニス/レスボス(ギリシャ) 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中