最新記事

アフガニスタン

米とタリバンが和平調印 トランプ「近い将来に指導者と会談へ」

2020年3月1日(日)11時10分

米国とアフガニスタンの反政府勢力タリバンは和平合意に調印した(2020年 ロイター/Ibraheem al Omari)

米国とアフガニスタンの反政府勢力タリバンは29日、和平合意に調印した。米軍や連合軍のアフガン撤退につながる可能性があり、約18年にわたる戦争の終結への一歩となる。

和平合意はカタールの首都ドーハで、米国のアフガン和平担当特別代表を務めるハリルザド氏とタリバンの政治部門トップ、バラダル氏が署名。ポンぺオ米国務長官も調印式に出席した。

エスパー米国防長官は、和平調印は始まりに過ぎないと指摘。アフガンでの和平実現にはすべての当事者の忍耐と譲歩が不可欠だと述べた。エスパー氏はアフガンの首都カブールでガニ大統領と会談し、和平調印に合わせて共同声明を発表した。

米国は、タリバンが合意内容を順守すれば、和平調印から135日以内に米軍のアフガン駐留規模を現在の1万3000人から8600人に削減し、また連合軍の規模縮小に向けても取り組む方針を示した。

共同声明によると、タリバン側の合意履行を条件に、米軍と連合軍の完全撤退は和平調印から14カ月以内に行われる見通し。

アフガン政府は、タリバンと交渉し停戦を実現する用意があるとし、米軍と連合軍の段階的な撤退を支援すると表明した。

次の段階は、包括的な停戦や今後のアフガン統治に関する合意に向けた交渉となる。アフガン政府はこれまでの交渉に深く関与していないことから、当局者や専門家は今後の交渉は困難だとの見方を示している。

トランプ米大統領は29日にホワイトハウスで会見し、近い将来にタリバンの指導者と会談する方針を示した。その後メリーランド州で行った保守派の会合では、タリバンが合意内容を守れば戦争は「終結する」と述べた。

[カブール/ドーハ/ワシントン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200303issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月3日号(2月26日発売)は「AI時代の英語学習」特集。自動翻訳(機械翻訳)はどこまで使えるのか? AI翻訳・通訳を使いこなすのに必要な英語力とは? ロッシェル・カップによる、AIも間違える「交渉英語」文例集も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 買春疑惑で

ワールド

ウクライナ戦争「世界的な紛争」に、ロシア反撃の用意

ワールド

トランプ氏メディア企業、暗号資産決済サービス開発を

ワールド

レバノン東部で47人死亡、停戦交渉中もイスラエル軍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中