最新記事

感染症

韓国、新型コロナウイルス感染5000人突破 文在寅「ウイルスとの戦争に突入」

2020年3月3日(火)20時00分

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、新型コロナウイルスとの戦争突入を宣言し、病院の増床とマスク増産を命じた。写真は3日の閣議で語る文在寅大統領(YTN / YouTube)

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、新型コロナウイルスとの戦争突入を宣言し、病院の増床とマスク増産を命じた。

マスク不足を陳謝するとともに、ウイルス感染の影響で打撃を受けた中小企業への支援を約束した。

韓国疾病予防管理局(KCDC)によると、新型ウイルスの国内の感染者は974人増え5186人になった。死者は3人増えて累計34人。

大統領は閣議で「大邱と慶尚北道の危機が頂点に達し、国全体が新型ウイルスとの戦争に突入した」と発言。また、マスクの供給が追い付かず、国民に迷惑をかけていることを陳謝した。

その上で、マスクを戦略物資として備蓄することを明言。これにより、供給業者は余剰となるリスクを抱えずに生産が可能となる。

韓国南東部の大邱市で集団感染が確認された新興宗教団体「新天地イエス教会」の教主兼会長のイ・マンヒ氏は陰性と確認された。同氏は検査を拒否していたが、地元自治体が警察を動員して強制連行する可能性を示唆したことで検査に応じた。

新天地イエス教会本部はロイターの取材に対し、教主の検査結果は報道で認識しているが、追加するコメントはないと回答。

同教団をめぐっては、感染拡大防止の取り組みに協力を拒んだとして、ソウル市がイ・マンヒ氏を殺人容疑で検察に刑事告発するなど、大きな社会問題となっている。

教団側は、教団自体も感染拡大の被害者であり、教団の性質について「誤解」がある、としている。

*内容を追加しました。

[ソウル 3日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



文在寅大統領は新型コロナウイルスとの戦争突入を宣言、マスク不足について政府を叱責した。 YTN / YouTube

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・中国人全面入国規制が決断できない安倍政権の「国家統治能力」
・新型コロナウイルス、感染ショックの後に日本を襲う4つの最悪シナリオ


20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ発表 初の実戦使用

ワールド

国際刑事裁判所、イスラエル首相らに逮捕状 戦争犯罪

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家、9時〜23時勤務を当然と語り批判殺到
  • 4
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    クリミアでロシア黒海艦隊の司令官が「爆殺」、運転…
  • 8
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 9
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 10
    70代は「老いと闘う時期」、80代は「老いを受け入れ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中