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感染症対策英政府、人工呼吸器1万台を発注 航空・自動車・F1マクラーレンなどの連合体に
英政府は航空、自動車、エンジニアリングの大手や自動車レースF1のチームからなるコンソーシアムに対し、新型コロナウイルスの感染者が重症化した場合に必要になる人工呼吸器1万台を発注した。写真はロンドン近郊で20日撮影(2020年 ロイター/Mark Hartnell)
英政府は航空、自動車、エンジニアリングの大手や自動車レースF1のチームからなるコンソーシアムに対し、新型コロナウイルスの感染者が重症化した場合に必要になる人工呼吸器1万台を発注した。今週、生産が始まる見通し。
コンソーシアムは欧州の航空機大手エアバス、航空・防衛の英BAEシステムズ、米自動車大手フォード、航空エンジンの英ロールスロイス、F1チームのマクラーレンとメルセデスなど27強の企業・団体で構成、英複合企業スミス・グループ製の呼吸器を従来よりペースを上げて生産する。
コンソーシアムの責任者、ディック・エルシー氏は「世界で最も革新的な企業が複数集められた。このコンソーシアムは現状を改善し、生命を救うための技術と手段を有している」と強調した。
英国の国民保健サービス(NHS)では当初、呼吸器が5000台しか利用可能でなかったが、当局は新型コロナ感染のピーク時には3万台が必要だと試算し、追加調達に奔走してきた。
ジョンソン首相は今月の早い段階で、製造業各社に既存の生産設備を活用して人工呼吸器をはじめとする医療機器の生産を開始するよう緊急要請していた。
英政府が現在所持する呼吸器は約8000台で、数週間内に追加で8000台を確保する見通し。前週は英家電大手ダイソンに新型の呼吸器を発注しており、使用するには保健当局の承認が必要になる。
これとは別に、F1チームのメルセデスを含む別の連合体は、新たな呼吸補助装置を1週間未満で開発したと発表。新型コロナ感染者に使用が可能で、既に病院で試験的に導入している。
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