最新記事

追悼

コービーが生前に語った人生の喜び、ビジネスへのこだわり、そして家族への愛

Life and Business According to Kobe

2020年2月22日(土)14時00分
ニューズウィーク米国版編集部

コービーは1月26日、乗っていたヘリコプターの事故で次女ジアナと共に亡くなった ILLUSTRATION BY ALEX FINE

<米NBAのレジェンド、コービー・ブライアントは悲劇的な死の前に、自らの人生とキャリア、家族について語り尽くしていた>

1月26日、カリフォルニア州カラバサスでヘリコプターが墜落し、乗っていた9人全員が死亡。中にコービー・ブライアント(41)と次女ジアナ(13)も含まれていた――。

衝撃の訃報が届いて以来、コービーについては実に多くが語られてきた。言うまでもなく、彼はオールスターゲーム通算18回出場の伝説的なNBAプレーヤーであり、名門ロサンゼルス・レイカーズの顔でもあった。

しかし彼にはほかにも、さまざまな顔があった。脚本を書きナレーターを務めた短編アニメーション『親愛なるバスケットボール』はアカデミー賞短編アニメ賞を受賞。児童書をプロデュースし、スポーツにまつわる物語を映画や本で伝えたくてマルチメディアの製作会社グラニティ・スタジオも設立している。

2016年に現役を退いて実業家に転じたコービーは、バスケットボールに向けてきた情熱を、どう第2の人生に注いだのか。実は、知られざる「コービー2.0」の素顔に迫るポッドキャストがある。昨年9月に配信されたもので、聞き手は本誌の常連寄稿家でもあるジョーダン・ハービンジャー。

話題は、レイカーズの名物コーチだったテックス・ウィンターに学んだ数々の教訓から、歌姫テイラー・スウィフトが長く頂点に立ち続けている秘訣に関する考察、そして家族への思いにまで及ぶ。以下はそのハイライト。(なおjordanharbinger.com で、エピソード番号249を検索すれば全編を視聴できる)

バスケットボールと創作の共通点について

分野は全く違うが、プロセスに注目すれば構造は同じだ。小説や映画を作るのも、毎日のゲームを組み立てるのも、プロセスは同じ。完成するものは丸きり違うが、設計の仕方は同じだ。

創造のプロセスを、私は楽しんでいる。バスケットボールとちっとも変わらない。バスケも楽しんでやっていた。引退後もラッキーだったね。同じくらい愛せるものを見つけたのだから。

新しい何かを創造する

誰かと比べて自分の向上心に火を付けようとしたことはないね。ライバルが必要なのは最後の2%だけ。競争心の98%は自分の内面から、バスケ愛から湧いてきた。

(映画や本を作るときも)原動力は創造への愛だ。今までなかったものを創造しているという手応えを感じると、とてもワクワクする。世界にはスポーツがテーマのファンタジー小説がないから、そうした作品を送り出したい。

情熱の炎について

NBAファイナルで5回、6回、7回は優勝したい――それが私の目標だった。誰に何を言われようと、目標は人が期待するより高く掲げた。

そういう情熱はコントロールできない。情熱の炎は燃やし続けなければならない。自分ではどうしようもない。毎朝起きると自然に体が動いてしまうんだ。

さあ休みを取るぞ、休暇中はバスケのことは考えないぞと決心しても、2日か3日が限度。コートに戻れば、バスケットボールへの情熱がせきを切ったようにあふれ出す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:トランプ関税受けベトナムに生産移転も、中

ビジネス

アングル:西側企業のロシア市場復帰進まず 厳しい障

ワールド

プーチン大統領、復活祭の一時停戦を宣言 ウクライナ

ワールド

イスラエル、イラン核施設への限定的攻撃をなお検討=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪肝に対する見方を変えてしまう新習慣とは
  • 3
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず出版すべき本である
  • 4
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 5
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 6
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 7
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 8
    ロシア軍高官の車を、ウクライナ自爆ドローンが急襲.…
  • 9
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 10
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 9
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 10
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 9
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 10
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中