最新記事

新型肺炎

米共和党上院議員が中国を嘘つきと非難

Cotton Accuses China of 'Lying' About Coronavirus: It May've Come From Lab

2020年2月17日(月)16時50分
クリスティーナ・チャオ

新型ウイルスはいったいどこから来たのか、REUTERS/Dado Ruvic

<新型肺炎の感染拡大が続く中、共和党上院議員がテレビのニュース番組で中国は嘘つきと非難。ウイルスの起源は本当はどこなのか、説いただすべきだと主張した>

アーカンソー州選出のトム・コットン上院議員(共和党)は16日、コロナウイルス感染拡大の深刻さについて嘘をついていると中国を非難し、ウイルスは武漢ウイルス研究所の実験施設で作られた可能性があると語った。

フォックス・チャンネルのニュース番組に出演したコットンは中国政府が「最初から嘘をついており、今日も嘘をついている」という以前からの主張を繰り返し、ウイルス拡大の深刻さ、そしてウイルスの発生源についても語った。

「事態はきわめて深刻だ。中国は当初から嘘をついていたし、今も嘘をついているからだ」とコットンは語った。「このウイルスについてはわからないことが多すぎる。たとえば、ウイルスに感染した人から何人が感染するのか、ということなどだ」

<参考記事>トランプの「無罪判決」を生んだFOXニュースの大罪

そしてコットンは、ウイルスを封じ込めるために中国からの渡航制限を行ったドナルド・トランプ政権をあからさまに称賛した。

「ベンジャミン・フランクリンの言葉を借りれば、1オンスの予防策は1ポンドの治療に値する。大統領が賢明にも数週間前に中国からの渡航者の入国禁止措置をとったため、中国本土から毎日やってくる2万人以上の人間のアメリカ入国を避けられた」と、スコットは語った。

<参考記事>アジア人を「病気持ち」と見なす欧米の差別意識は200年以上前から

情報を隠す中国に不信感

「このウイルスは武漢の海鮮市場からきたのではない」というのも、コットンの主張だ。「中国で広く尊敬される疫学者の研究によれば、初期の数人の感染例は、市場とはまったく接点がなかったことがわかっている」

だとすれば、海鮮市場からわずか数キロの場所にある、武漢国家生物安全実験室がコロナウイルスの発生源だった可能性があるという。

「新型肺炎のウイルスがそこで発生したという証拠はないが、中国は最初から情報を隠し、不誠実な対応だった。だからこちらから質問をする必要がある」

コットンは以前、中国政府に対して同様の申し立てを行ったことがある。2月初めにも、コロナウイルスが高度な研究を行う生物実験室で発生した可能性があると主張し、今回の感染拡大の深刻さを軽視していると中国を非難した。

(翻訳:栗原紀子)

20200225issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月25日号(2月18日発売)は「上級国民論」特集。ズルする奴らが罪を免れている――。ネットを越え渦巻く人々の怒り。「上級国民」の正体とは? 「特権階級」は本当にいるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB忍耐必要、6月までの政策変更排除せず=クリー

ワールド

ロシア、北朝鮮製ミサイルでキーウ攻撃=ウクライナ軍

ビジネス

関税の影響見極めには年後半までかかる─ウォラーFR

ワールド

トランプ氏「中国を債務不履行にすべき」、ボーイング
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考えるのはなぜか
  • 2
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは?【最新研究】
  • 3
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 6
    謎に包まれた7世紀の古戦場...正確な場所を突き止め…
  • 7
    「地球外生命体の最強証拠」? 惑星K2-18bで発見「生…
  • 8
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航…
  • 9
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中