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核・ミサイル開発テロリストが核兵器を手にする日は近い──IAEA国際会議で警鐘

攻撃の手を緩めないシリアのアサド大統領 SANA-HANDOUT-REUTERS
<核の保有国かそうでないかにかかわらず、核問題に無関係でいられる国はない。紛争で国境が脅かされ、サイバー攻撃が常態化する今日はとりわけ危うい>
内戦や国際情勢の不安定化で、過激派組織が核兵器を手に入れる可能性が高まっている──シリアの高官が、世界に向けて警告した。
ウィーンのIAEA(国際原子力機関)本部で行われた国際会議で2月11日、シリアのバッサム・サバー代表が演説。「過去10年で核の安全は国際社会の重要課題になりつつある」とし、犯罪者やテロリストが核兵器や核物質を入手して自らの目的のために使用する可能性があると述べた。
紛争で国境が脅かされ、サイバー攻撃も常態化している現状はとりわけ危うい。2011年から続くシリア内戦は、反体制派最後の拠点である北西部イドリブで最終局面に突入。同地域の混乱が今後、中東の周辺地域に拡大する懸念もある。
中東で核保有国とみられるのはイスラエルだけだが、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は「核の安全は、核保有国か非保有国かにかかわらず全ての国に共通する問題だ」と訴えている。
<2020年2月25日号掲載>
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